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2012 年度 実施状況報告書

生成文法による日本語方言の統語論研究

研究課題

研究課題/領域番号 23652094
研究機関関西学院大学

研究代表者

本田 盛  関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (30132319)

キーワードMicroparameter / Syntax / Dialect
研究概要

当該年度では言語のマイクロパラメータ変異の理論的背景および日本語の方言変異に関する先行研究の見直しを中心におこなった。とくにSaito (1984)およびFukuda (2000)の観察と分析に基づいて、標準日本語と大阪・神戸方言の相違を生み出すメカニズムの統語的分析を進めた。その結果、補文標識とよばれる機能範疇がマイクロパラメータ変異に大きくかかわっていることが明らかとなり、この結果はPoletto (2000)、Carstens (2003)などによるイタリア語やドイツ語、オランダ語の分析結果と類似性をもつ。そして日本語においても補文標識の性質および補文標識への動詞要素の移動がマイクロパラメータ変異を生み出すという仮説を提唱することができる。ただ日本語においては主要部が文の右方領域に連続してあらわれるため、この仮説の検証は適切な実証データを発見することにかかってくる。このことは次年度の課題となる。
当該年度においては、とくに後半、海外の研究者と上記仮説の妥当性について議論をおこなった。最初のイタリア、オランダでの打ち合わせは諸事情により中断せざるを得なかったが、年度末にかけてMITおよびUniversity of Washingtonの研究者と集中した議論をおこない、後者(UW)ではSyntax Roundtableにおいて研究発表をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在まで理論的な研究においては比較的順調に研究が進んでいるが、現地調査などの実証データの収集においては研究の遅れが見られる。とくにインフォーマントへのインタビューなどの現地調査が十分におこなわれていない。

今後の研究の推進方策

研究の最終年度においては、前年度までに達成が遅れているデータの収集およびその分析に集中し、理論的提案を実証面でサポートすることを中心としてゆく。日本語方言のマイクロパラメータ変異に関して、当初掲げた目標を達成するべく研究を推進する。そのため、理論研究とともに、主として夏期に日本の方言地域の現地調査をおこなう予定である。
また日本語方言のデータベースについても方法および形式の確立とともに、実証データのデータベース化をめざす。

次年度の研究費の使用計画

直接経費の次年度使用額が61,382円繰り越されている。当該年度実証研究に支出すべき金額であったが研究の遅れを反映して支出ができなかった金額である。この金額については次年度おこなう研究の中で、国内・国外の旅費、データ収集および整理のための謝金の一部として使用する計画である。

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公開日: 2014-07-24  

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