研究課題/領域番号 |
23652110
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
名嶋 義直 東北大学, 文学研究科, 准教授 (60359552)
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
2011年度に韓国2大学で行った調査結果を分析・考察し,日本語文法に関する代表的な学会において招待発表を行った。また,中国1大学で行った調査の結果と分析については,香港で行われた国際シンポジウムと沖縄で開催された日本語教育研究会で発表した。日本語用論学会においては,本研究で得られた知見をより大きなテーマに発展させ,若手研究者の育成を目的に東北大学と他大学の大学院生を組織してワークショップを行った。国内の代表的な学会や実際に調査を行った国である中国における国際都市香港,中国台湾と結びつきの強い沖縄で発表を行ったことは,「学習者の心的文法」を明らかにする本研究の課題にふさわしい形で研究成果の公表であったと考えられる。実績の詳細は以下の通りである。 ●口頭発表4本:名嶋義直(2012)「日本語学習者が持つノダ文のプロトタイプ的用法について」『日本語文法学会 第13回大会発表予稿集』pp.139-146. 2012.10.28(於 名古屋大学,招待発表),名嶋義直(2012)「ノダ文に関する語用論的考察―韓国人日本語学習者の場合―」第九回国際日本語教育・日本研究シンポジウム 2012.11.24(於 香港城市大学),名嶋義直・小山友里江・梅木俊輔・エミ インダー プリヤンティ(2012)ワークショップ 「語用論研究から日本語教育へ,日本語教育から語用論研究へ」2012.12.1(於 大阪学院大学),名嶋義直(2013)「ノダ文に関する心的文法について―中国人学習者の場合―」沖縄県日本語教育研究会 2012年度第3回研究発表会2011.3.1(於 琉球大学) ●論文1本:名嶋義直(2014)「ノダ文に関する語用論的考察―韓国人日本語学習者の場合―」,香港第九回国際日本語教育・日本研究シンポジウム論文集(掲載決定)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年度は東日本大震災の影響で年度半ばまで研究に着手できなかった。2011年度後半には韓国2大学・中国1大学で調査を行ったが,研究の遅れは取り戻せず,その影響が2012年度にも出た形となった。2012年度には遅れを取り戻すべく,再度中国で調査を行う計画を立てたが,今後は政治情勢の影響を受け,計画が頓挫した。9月に南京市東南大学での集中講義を利用し調査を実施する予定であったが,日中間の政治情勢が不安定となり集中講義が延期された。次に10月に大連外国語大学にて開催される国際フォーラムにおいて研究成果の発表を行い,その後で調査を行う計画を立てたが,こちらも同事情で国際フォーラムが中止となった。そのため本年度に予定していた二回目の調査を行うことが出来ず研究を予定通り進展させることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度に実施できなかった海外での調査,その調査結果の分析,2012年度までの研究成果と比較・対照を行う総合的な考察,国際フォーラム等においての研究成果発表,以上の4点を2013年度に行うこととする。調査対象国に関しては,現在の時点では中国を考えているが,本年度の経験からカントリーリスクも考慮し,日本語学習者が多い東南アジア圏(インドネシア・タイ・ベトナム等)に振り替えることも視野に入れたい。研究成果を公表する国際フォーラムについては,中国かベトナムにて開催されるものに応募する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度からの延長分が180,000円である。その未使用額を上記研究計画を推進する経費に充てる。具体的には以下のような形で使用計画を立てている。 旅費:中国または東南アジア(インドネシア・タイ・ベトナム等)120,000円 翻訳謝金:30,000円 その他:30,000円
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