日本語非母語話者(NNS)1名と母語話者(NS)2名の雑談に現れた「他者開始修復(聞き取り、理解の問題に対処するやり方)」連鎖を分析した結果、NS同士に比べ、NNSとNSの修復連鎖は、長く、構造が複雑になることが観察された。NNSがNSの発話に対して開始した修復は、ゆっくりと易しい言葉で行われたり、既にNNSが理解しているにもかかわらず続けられたりする事例がみられた。NNSの発話に対してNSが始めた修復も、NNSに対して配慮を示しつつ行われているが、対等な参加者としてNSの配慮のあり方に再考を促すような事例も観察された。この結果を日本語教師が意識し、NNSとの会話にかかわることは重要であろう。
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