本研究は、外国人の定住化を受けて、日本語教育支援の先にある施策について実践的に探究を行うことを目的とした。まず、聞き取り調査によって調査協力者の社会参加の現状とプロセスを明らかにし、次に彼らの声を直接的に発信する方法を探究した。聞き取り調査の結果として、個々の社会参加の方法は極めて多様であるが、日本語学習や社会参加の動機・方法は、妊娠出産などの生活状況や子どもの年齢、家庭言語などと深く関わっていることがわかった。また、社会との関わりとしては複言語話者であることを活かし、翻訳業務や自治体の派遣講師などを行っているケースが少なからずいた。そして、移住者の声を発信するため、協力者自身が文章を書き研究者が冊子にまとめ多言語訳をつけて公開するという新しい試みを行った。
|