研究課題/領域番号 |
23652128
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
SYKES J・Denby 国際教養大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50592911)
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研究分担者 |
佐々木 雅子(島崎雅子) 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (00292392)
濱田 陽 秋田大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00588832)
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キーワード | 外国語活動 / FLEX / 教員養成 / 教員研修 / Tandem Teaching / オーストラリア |
研究概要 |
今年度の研究の主な目的は、「外国語活動総合教育システム」の実践であった。前年度(平成23年度)の計画を実施し、実践データを保存・分析することを目標に研究活動を遂行した。主な研究は2つに分けられる。1点目は、小学校教諭3名がオーストラリア、グリフィス大学の小学校外国語活動教員向けの研修への参加による研修結果の分析である。研究方法としては、アンケート調査、インタビュー調査、journal writingを主に使用した。もう1点は「外国語活動総合教育システム」の一環となる、英語教育オープン研修会の開催である。合計3回実施し、現職教員と学生、そして大学教員とのの交流が行われた。1点目の小学校教員3名のオーストラリア研修についてであるが、8月4日(土)~8月12日(日)の日程が組まれた。「英語圏のひとつであるオーストラリアで行われる教員研修に参加し、小学校外国語活動の充実発展に必要な知識と技能を吸収する。また、多文化社会であるオーストラリアでのホームステイを経験し、異文化を自ら体験する。」という目的のもとで、実施された。実際の研修期間は6日から10日までの5日間という短期間であったが、3名それぞれに外国語を学ぶということについての意識の変容、外国語活動を実施するにあたって自らの異文化体験が示唆し影響することについての認識についてなど、研修の意義が裏付けられるとともに今後の発展性についても期待できる結果となった。2点目の英語教育オープン研修会は、小規模ながら地域における総合教育システムとして充実していくことが予想される成果が得られた。大きな収穫の一つとしては、オーストラリア研修の際に訪問したオーストラリアの小学校と附属小学校が交流を外国語活動の時間に実際に行った点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校教員3名をオーストラリアでの海外研修に参加しデータをとったことは大きな成果であると評価できるものの、地域の信頼できる組織として体系的に成立している「外国語活動総合教育システム」とまではなっていない。地域において本システムが認知され、実際に機能するには改善すべき点が多々あると判断する。また、データについてもその分析が十分に進んでおらず、改善点を具体的に提示することができていない。したがって、学会発表、論文発表までに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、「外国語活動総合教育システム」の試験的実施に終始してしまった。したがって、研究のデータ分析までには至ることができなかった。英語教育オープン研修会にしても、地域の人材をまきこんでより効果的な連携を実施するシステムまでにはなっていない。したがって、今年度は、オーストラリア小学校教員研修のデータ分析、学会発表、論文執筆により、学術的な理論的枠組を背景として、システムを充実させていく予定である。英語教育オープン研修会についても、7,8,9月という現職教員が比較的研修に参加しやすい時期に実施日を設定し、その意義を深めるような活動を展開していく。参加者のフィードバックから、あるべきシステムの姿を模索していく。 また、オーストラリアの小学校との交流授業についても、5,6月に実施する予定であり、外国語活動における異文化間コミュニケーション能力の育成について研究を深めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究は、まとめの段階に入り、「外国語活動総合教育システム」の評価が主な事業となる。授業観察記録、アンケート、インタビューから、日本の社会文化的環境に適した「FLEXとしての外国語活動」が実現されているかどうか評価する 教員養成プログラムについてはjournal writingのデータ から、現職教員研修プログラムについてはアンケート調査、インタビュー調査、journal writingのデータから、それぞれのプログラムを評価する。大学生と現職教員のfocus group interviewから得られたデータも加味し、教員養成・研修全体のプログラム評価を行う。 最終的に、地域の連携を生かした「外国語活動総合教育システム」の効果と課題点を明らかにする。 * 毎年度、学会発表、論文発表、ホームページでの情報発信を行い、フィードバックを得る。
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