研究概要 |
研究代表者、松村耕光は、平成23年度にはイギリスのブリティッシュ・ライブラリーにおいて19世紀に出版されたウルドゥー語の文法書、学習書、辞書の内容を検討し、ウルドゥー語の文法規範意識形成に関する研究を行った。平成24年度にはインドに出張し、標準ウルドゥー語の中心とされるインドのデリーおよびウルドゥー語圏東部の中心地アラハバード、ベナレスにおいてウルドゥー語の地域的特徴に関する調査を行った。平成25年度にもインドに出張し、デリー、アグラ、ラクナウ、ムンバイ、プネー、オーランガーバードのウルドゥー語の実態や文法教育の実情について調査を行い、現地調査の成果の一部を、平成25年10月5日、広島大学で行われた日本南アジア学会第26回全国大会において「ウルドゥー語における不定詞の名詞的用法について」と題して発表した。 研究分担者、西岡美樹は、平成23年度にはインドに出張し、ヒンディー語の地域的特徴についての調査を行った。平成24年度にはインドで現地調査を続行するとともに、モスクワでの国際会議ICOSAL10や東京外国語大学で行われた日本南アジア学会第25回全国大会で本研究の成果の一部を発表した。平成25年度には、モスクワでの発表内容を論文'Conflicting Patterns of Agreement in Hindi-Urdu'としてまとめた。平成25年度にはヒンディー語西部地域であるデリー周辺で一致(agreement)に関するアンケート調査も行った。また、昨今標準ヒンディー語が与えているという、ヒンディー語東部地域方言への語彙、形態および統語的影響に関する研究を行い、論文'Language Change in Hindi Dialects: A Case Study of Bhojpuri, Magahi and Maithili'としてまとめた。
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