研究課題/領域番号 |
23652151
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研究機関 | 徳山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
国重 徹 徳山工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (50225174)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 英語多読 / 語感 / 計量的研究 |
研究概要 |
平成23年度の研究者が担当する英語の授業内外(授業内については、本科1年生及び本科3年生。授業外は希望学生全員である。)において、英語の多読指導を実践した。その際、学習者がどのようなレベルの多読書をどれだけ読むと語感が養成されるのかを計量的に明らかにすることを目的とした。当初の予定では、多読の仕方に応じて、学習者を6つのグループに分ける予定であったが、教育的配慮など(例えば、学習者に特異な多読の仕方を指示して、実施させることは避けた方がよいという判断など)からそのような分け方をせず、多読学会などにおいて、多読の効果を調査分析に基づいて発表する際に最近頻繁に用いられているwords/bookの指標を用いて、個々の学習者の多読傾向を数的に算出し、そのデータと語感の鋭さを測るテストの結果に基づいて最も効果的な多読の方法を計量的に出すという方針に変換した。そのため、まず、英語多読記録用紙を用いて学習者に多読の記録(何語のどのようなレベルの本を何冊読んだかや、読んだ後の感想などの記録)をつけさせた。次に、平成23年度1年間の多読記録に基づき、学習者の多読傾向(どのようなレベルの本を、どのくらい読んでいるかなど)を分析するためのデータ整理と、語感の鋭さを測るテストの結果(年4回実施)データ整理を完了した。また、途中段階で得られた多読活動の成果や結果などをまとめ、学会等で複数回発表し、論文の形にまとめて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、平成23年度は学習者の多読語数が10万語程度になるであろうと予測し、それに基づいて研究計画を立てていたが、学習者が予想以上に多読活動に積極的に取り組んでくれたおかげで、平均で1人あたり14万語程度の読書量であった点で、被験者に関してはかなりいい状態で研究が進んでいると言える。しかし、一方、当初の予定では、多読の仕方に応じて、学習者を6つのグループに分ける予定であったが、教育的配慮など(例えば、学習者に特異な多読の仕方を指示して、実施させることは避けた方がよいという判断など)からそのような分け方をせず、多読学会などにおいて、多読の効果を調査分析に基づいて発表する際に最近頻繁に用いられているwords/bookの指標を用いて、個々の学習者の多読傾向を数的に算出し、そのデータと語感の鋭さを測るテストの結果に基づいて最も効果的な多読の方法を計量的に出すという方針に変換した点で、計画を多少変更したことになるが、達成度への影響はないものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、授業内外で多読の取り組みを継続する学年(本科2年生及び、本科3年以上の希望者)と新たに多読を始める学年(本科1年生)とのグループに対して、平成23年度と同様の調査を続ける。また、それぞれのグループに対して多読記録をつけさせ、年度が終わるまでに平成24年度の学生の多読傾向を探るためのデータを整理する予定である。また、平成23年度末に整理の終わった平成23年度のデータを詳細に分析し、どのような多読の仕方をするのが最も効率よく語感を養成することができるのかについて明らかにし、得られた知見を学会等で発表し、論文にまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度には、教材としての英語多読用の図書及び語感の鋭さを測るテスト作成の参考とすべき図書を合わせて20万円程度購入する予定である。また、学会への参加費や論文投稿料としての経費を約10万円計上している。
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