本研究は,2000年の上海市人口センサスの小地域データをもとに上海市の人口に関する社会地図を作成した.特に5歳ごとの年齢階級という細かな年齢階級区分で,人口分布の年齢間の差異を明らかにした.人口を戸籍人口と外来人口および両者の和である総人口に分けて分析した.2000年の上海市で人口ボリュームが多かったのは戸籍人口の40歳とその子ども世代の10歳代であり,彼らは都心地域に多く居住していた.しかしその下の20歳代から30歳代前半の世代と,その子ども世代に当たる10歳未満は,近郊地域で比率が高かった.ここに郊外化に関して世代間の差を見取ることができる.
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