本研究はオーストラリア先住民世界の「北部準州緊急対策/介入政策」を対象に「臨床人類学―文化相対主義とのつきあい方」を主題として文献・現地調査・成果報告を目指した。 オーストラリアの先住民関連機関では(1)先住民が多数派の機関ではそもそも文化相対主義が発生しにくいこと、(2)非先住民が多数派の機関では文化アドヴァイザ―やインタープリターの活用、(3)非先住民だけの機関でもその一部には自らの自文化中心主義を飼いならしを行っていることが明らかになった。 但し文献の精査は満足ではなく守秘義務がある機関での調査は不十分で理解が自動的に解決ではないので、本研究を入り口とした研究の深化が必要となる。
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