研究課題/領域番号 |
23652197
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研究機関 | 関西外国語大学短期大学部 |
研究代表者 |
山森 靖人 関西外国語大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50390133)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | メキシコ / 文化変容 / 民芸品 |
研究概要 |
2011年7月3日 研究発表(日本昔話学会 シンポジウム): 本科研費受給以前(平成22年度まで)の研究成果を、「メキシコ先住民村落でのフィールドワーク ―神話伝承の場の変容」のタイトルで研究発表。ウィチョール族村落の近代化と、それに伴う「伝承の場」の崩壊について考察。 2011年8月18日~9月6日 メキシコ現地調査: メキシコシティとプエルト・バジャルタにて、ウィチョール族民芸品の製作現場、及び販売現場の現地調査を実施。ウィチョール族民芸品を販売する店舗の数や形態、及び販売されている民芸品の種類を確認、さらに民芸品製作者や販売者へのインタビューを実施。文献資料の収集も実施。 2011年11月21日 講演(関西外国語大学 ラテンアメリカ・リレー講座): 関西外国語大学スペイン語学科主催のラテンアメリカ・リレー講座(一般公開講座)にて、「メキシコ先住民ウィチョール族の生活」のタイトルで講演。ウィチョール族の生活実態と伝統文化の変容について、一般向けの内容で講演。 2012年2月14日~22日 メキシコ現地調査: メキシコシティとカンクンにて、ウィチョール族民芸品の製作現場、及び販売現場の現地調査を実施。ウィチョール族民芸品を販売する店舗の数や形態、及び販売されている民芸品の種類を確認、さらに民芸品製作者や販売者へのインタビューを実施。文献資料の収集も実施。 2012年予定 論文(日本昔話学会 学会誌『昔話 ―研究と資料』): 2011年7月3日のシンポジウムでの発表に基づき、「ウィチョール族社会の近代化と神話伝承」のタイトルにて論文投稿。日本昔話学会の学会誌『昔話 ―研究と資料』に掲載予定。ウィチョール族村落での伝承文化の継承が断絶の危機にある点、都市部においてはウィチョール族の伝承文化が「再生産」されつつある点について論考。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査に先立ち、ウィチョール族の伝承文化をテーマとした研究発表を実施することで、既に所有する資料・情報の整理を行い、伝承文化研究者から本研究課題を進める上での有益なアドバイスを得ることができた。 ウィチョール族村落と都市部の比較に基づき、「伝承の場」の変容をテーマとした論文を仕上げたことで、彼らの社会における民芸品の製作・販売の意義を考察することができた。 メキシコ現地調査は当初予定していた日数を確保することができなかった。しかし、渡航前の準備段階において、現地情報提供者からの情報、さらに、書籍やインターネット上の情報により、調査地をかなり絞り込むことができた。ウィチョール族の民芸品の製作・販売現場(主に大都市部と観光地)を事前にリストアップすることで、効率的に現地調査を進めることができた。翌年度以降の現地調査を効率よく実施するための有用な情報、及び情報提供者を確保することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、平成24年度も引き続き現地調査を実施し、ウィチョール族民芸品に関する資料と情報の収集を進める。 平成23年度では大都市部(メキシコシティ)や主要観光地(プエルト・バジャルタとカンクン)における民芸品の製作・販売の現状を把握することができた。今後は、ウィチョール族村落での民芸品製作の実態、および、彼らが暮らす地方都市での民芸品製作・販売の現状を確認することが必要だと考えている。 メキシコでは、本研究課題に関する有用な文献資料を数多く確保することができなかった。文献資料の確保をさらに進める必要性を感じている。 本研究課題の中間報告として、日本文化人類学会の研究大会(平成24年度)にて研究発表を実施する。 情報・資料収集と並行して、最終的な調査研究報告をまとめる準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度と同様に、研究費の大半をメキシコ現地調査と成果発表の旅費で消化する予定である。 鮮明な画像資料を確保するため、デジタル一眼レフカメラの購入を予定している。 メキシコ現地調査は8月と2月に実施することを計画している。
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