本研究はメキシコ先住民ウィチョール族社会における民芸品販売の現状に関する調査研究である。ウィチョール族は1960年代に民芸品の製作販売を始め、現在、彼らの毛糸絵やビーズ細工はメキシコの最もポピュラーな民芸品であり、ウィチョール族の現金収入源のひとつとなっている。しかし、今回の調査によって、彼らの民芸品販売が不安定な商売であり、ウィチョール族社会に十分な利益をもたらしてはいないことが明らかになった。さらに、商売敵の増加が予想され、民芸品販売がウィチョール族社会における生業とはなり難いことが判明した。
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