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2011 年度 実施状況報告書

脱当事者主義モデルとしての治療的司法に関する比較法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23653019
研究機関成城大学

研究代表者

指宿 信  成城大学, 法学部, 教授 (70211753)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード治療 / 問題解決型司法 / 加害者臨床 / ドラッグ・コート
研究概要

1.治療的司法における治療サプライヤー調査と意見交換   初年度は、治療的司法をわが国で実施展開する際に利用可能な治療サプライヤーの調査をおこなった。本年度は、少年や家事事件において臨床的取り組みを推進されている、元家裁調査官の廣井亮一教授(立命館大学文学部)、家庭内暴力の加害者となった男性に対するクリニックを実践されている、カウンセラーである中村正教授(立命館大学文学部)、民間NPOにおいて薬物中毒者の離脱と社会復帰援助をされている、東京ダルク関係者らと意見交換をおこなった。その結果、当事者モデルの現行手続法の枠組みのなかでどのような「治療」が実際に使われているかについて、相当程度の鳥瞰が可能となってきた。2.治療的司法の理論的展望と課題調査   法と心理学会において「司法臨床」のワークショップにコメンテイターとして参加し、法学者や心理学者、福祉関係者らと当事者モデルにおける臨床的な治療プログラムの導入の可能性について議論を重ねた。3.国際研究状況調査   1)欧米における「治療的司法」「治療法学」をテーマとする学位論文を収集し、最先端の議論をフォローする体制を整えた。 2)欧米における「治療的司法」「治療法学」を主題とする書籍を収集し、欧米の法学や心理学、司法界においてそうした考え方がどのように浸透、普及しているかについて概観可能な資料収集をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

支給決定が遅れたことや新学術領域研究の統括班となったことなどから、治療サプライヤーおよび関連する治療モデルについての識見を持つ研究者へのコンタクトや研究会発足が遅れ、また治療的司法実施国における海外調査旅行などが遅れた。

今後の研究の推進方策

既に、ドラッグコートに関して研究を重ねておられる石塚伸一教授(龍谷大学法科大学院)や、福祉と矯正との協力関係を提起されている浜井浩一教授(龍谷大学法科大学院)など、治療的司法や治療法学と近接する考え方を持っておられる研究者との意見交換を更に進め、研究会発足を目指す。海外における実際の「問題解決型司法」の例を実地調査したい。 州によって様々な治療プログラムを刑事手続にインプリメントしているオーストラリアを調査訪問先に予定している。

次年度の研究費の使用計画

初年度が主として文献調査のための海外からの関連する主題を持った学位論文ならびに関連書籍の購入に向けられていたところ、次年度は海外における調査活動などを中心として研究費を使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 司法臨床の展開-弁護士と臨床心理士の協働

    • 著者名/発表者名
      廣井亮一、河野聖子、河野聡、指宿信
    • 学会等名
      第11回 法と心理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011年10月2日

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公開日: 2013-07-10  

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