「治療的司法」とは、従来の伝統的な刑事裁判に対する観念である当事者主義(検察官と被告人を対等の訴訟当事者と位置づけ、刑事罰の当否を争う対抗型訴訟)に代わって、世界中に広がっている新たな司法観である。すなわち、刑罰や裁判手続を重視するのではなく、加害者(犯罪者)の抱えるさまざまな問題を重視し、その問題を解決することで再犯を防止することに主眼を置いた司法観である。 本研究プロジェクトでは、こうした新旧の司法観の対立、相克を明らかにすると共に、わが国において目指すべき司法の方向性を見出すことに成功した。
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