主な研究実践として、裁判員経験者や法律実務家をパネリストとする公開シンポジウムを開催し、青森地方裁判所で開廷される裁判員裁判を大学生とともに傍聴し、出張模擬裁判員裁判を実施して中学高校生や市民に評議を体感する機会を提供した。以上の活動の参加者に対するアンケート調査等を通じて得られた主な知見は、裁判員経験者の体験がほとんど社会に共有されておらず、市民が裁判員に選ばれる事前事後の裁判員裁判に関する情報提供と配慮が十分でないこと、法廷傍聴により刑事事件の実情に触れることで学生・市民の裁判員裁判および犯罪への見方が変わりうることと、模擬裁判員裁判の評議を通じて裁判員就任意欲に変化が生じうることである。
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