研究概要 |
1, 子どもの時間選好率に関する論文 “Why Are Children Impatient? Evolutionary Selection of Preferences” を Theoretical Economics Letters にて出版した。 2, 上記1の成果を利用し、Value of Life の概念を生物学と経済学の両面から考察した論文『生物学的な生存価値とその人間行動研究における可能性』を雑誌『行動経済学』にて出版し、その拡張版を日本経済学会にて報告した。またその更なる拡張版を、Vienna Institute of Demography の Michael Kuhn と執筆中である。 3, 「効用の相対性およびその所得可変性」についてまとめた論文3本は、そのうちの1本をアメリカ人口学会、日本人口学会で報告した。また3本とも出版に向けて投稿準備中である。 4, 本研究の最終的な目標は、上記の個別具体的な研究を通じ、経済学における効用を実証面から再構築する道筋を描くことであった。この点に関しては十分な成果が得られた。効用に対応する実証的な概念として主観的幸福度や生活満足度を取り上げ、データの有効性を検証するという目的で様々な実証分析を行った結果、効用に置き換わる概念として十分な可能性を秘めていることがわかった。これらの点に関しては現在論文執筆中である。今後は本研究で描いた道筋に基づいて研究を進め、個別具体的な研究成果として1つ1つまとめていきたい。
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