研究課題
本研究は地域ブランドに関する都市・地域経済学的研究を進めた。地域ブランド経済学・経営学の分野を提唱している。地域ブランドに関する理論面と実証研究、地域経済分析の枠組みを超えフィードバックするしくみをつくった。知的財産戦略に基づいた潜在的な地域資源を組み立て、地域ブランド経済の発生メカニズムを明らかにした。第一に、地域ブランド経済学の理論体系を構築した。地域ブランドの構成要素としての、自然、歴史文化、農業、商工業、歴史遺産など様々な要素の水準が高まり、地域イメージが改善され、地域ブランド商品やサービスの価値が上昇するメカニズムを明らかにした。都市集積とは別に、中山間地域に価値を劇的に高め産業集積を可能としていく。第二に、地域ブランド経済の実証分析を行った。地域ブランド経済の理論的背景のもと、分析対象として、山形県の高級果物さくらんぼ、高級米「つや姫」、高級洋梨「ラ・フランス」の地域ブランド価値評価の分析を行った。産地や銘柄ブランドが品質以上に大きく作用し「地域」が改めて重要であることを複数の結果から明らかにした。第三に、地域ブランドビジネスの実践的方法を構築した。地域資源となる商標(羽前エキストラなど)を獲得し地域ブランド産業を構築するプロセスを明らかにした。従前の経済分析の概念を超え、知的財産に保護された地域資源の発掘が必要であり、差別化を進めることが大事で、地域ブランド経営学と名づけた。山形県内では、世界ブランドになりうる、万国博覧会においてグランプリ・金賞を獲得した「羽前エキストラ・シルク」に着目し産学官連携シルクシンポジウムを3年連極し行った。実際に地域資源を発掘するために、落語関係者や音楽関係者の指導を借りて、芸術文化作品をつくることも行った。これらの成果は実際に実務家と連携をしながら、地域ブランド経済が発生するような地域資源として今後生かされる。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)
Discussion Paper, Economics and Information Sciences Lab., Yamagata University
巻: 2013-001 ページ: 1-18