研究課題/領域番号 |
23653066
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大坪 滋 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40247622)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 幸福 / 開発 / 成長 / 主観的指標 |
研究概要 |
本挑戦的萌芽研究に基盤を提供する基盤研究A(海外学術)での海外研究者ネットワークを活用しつつ、本年度は特に「開発と幸福」の総本山といわれるブータン王国のブータン王立研究所との共同研究を深めた。また、基盤Aの国際共同研究ワークショップや、研究代表者が大会実行委員長を務めた国際開発学会第22回全国大会においての共通論題(Plenary Session)として、'Diversification of Development Goals under Globalization: Perspectives from Asia, Africa, and Japan' を一般公開して行った。1)ブータン王国で開催された、ブータン首相およびコロンビア大学Earch Institure共済のHappiness and Economic Development Conferenceにおいて日本の開発と幸福の変遷をまとめた"Happiness in the Post-WWII Japanese Economic Development"を発表した。2)基盤A国際共同研究ワークショップの名古屋大学での開催にあわせて、「開発と幸福」のセッションを開催した。3)国際開発学会第22回全国大会(名古屋大学大会、実行委員長大坪滋)に大会共通論題セッションを一般公開で提供した。4)ブータン研究所から2名の研究員(一名は世界的に著明なDasho Karma Ura所長)を名古屋大学に招聘し、共同研究を行った。(いづれも最終出版物を現在準備中である)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は計画通り、開発と幸福研究の中心とされるブータン王国の王立ブータン研究所の研究グループ、我が国国内の開発と幸福研究研究者とのネットワークを張りつつ、データ収集や国際会議参加、国際共同研究ワークショップを開催した。ブータンで現地調査および国際学会(Economic Development and Happiness Conference)発表を行い、関連サーベイデータの解析を始めた。ブータン研究所から2名の研究者を名古屋大学に招聘し、共同研究を開始した。(国連事務総長の世紀の開発目標改訂準備グループと共同でその後4月初旬にNYでワークショップおよび国連会議を開催・参加した)
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今後の研究の推進方策 |
ブータンのGNHサーベイを利用した、幸福度のコントロールファクターの研究、インドネシアの家計調査データを利用したコントロールファクターの研究等、従来の概念的な研究についかして実証研究を行って行く。ブータン、タイでの追加現地調査を行い研究論文をまとめて行くとともに、科研Aで行われている7カ国のグローバル化の中での経済成長・不平等・貧困削減に関する研究において、各カントリーペーパーの中に「開発の目的」というセクションを設け、各国での「開発と幸福」への取り組みを紹介して行く。開発の目的を所得や消費貧困から主観的指標(生活満足度)に置き換えた場合の政策効果や制度等のコントロールファクターの推移も検証して行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
当萌芽研究での研究費は限られているが、ブータンやタイの調査、データ収集等に使用したい。
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