研究課題/領域番号 |
23653073
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福井 清一 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90134197)
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研究分担者 |
三輪 加奈 釧路公立大学, 経済学部, 講師 (00552001)
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キーワード | 小口保険 / 貧困削減 / カンボジア / 開発援助 |
研究概要 |
本年度は,前年度の試行的調査の結果を踏まえ,まず,標本家計の規模を拡大し,前年度と同様の調査を実施した.具体的には,小口保険プログラムへの参加決定因,参加の健康への効果,インフォーマル保険制度への影響を分析するため,平成24年,9月,10月に,タケオ州12農村,450世帯の家計調査を実施し,所得,資産,就業状況,家族構成、土地所有,家計員の健康状態,SKYプログラムへの参加状況,家計員のリスク選好,時間選好等についての情報を収集した.さらに,平成25年2月,3月には,平成24年に調査を行った家計を家計を対象に,SKYプログラムへの参加がインフォーマル保険制度におよぼす影響について分析するため,マイクロ・インシュランス・ゲームへの参加を依頼し,これを実施した.以上の現地調査で収集した情報を,現在,コンピューター入力しているところである.また,前年度の調査で収集した農村世帯の家計特性と家計員の健康状態,リスク選好,時間選好,SKYプログラムへの参加状況に関するデータ,情報を用いて,小口保険プログラムへの参加決定因と参加が家計員の健康におよぼす影響について,OLSとプロビットの連立方程式モデルを用いて,計量経済学的な分析を行い,その結果を,国際開発学会,地域農林経済学会等で報告した.主な分析結果は,小口保険の購入は家計員の健康状態に影響をおよぼさない一方,家計員の健康状態は小口保険の購入行動に影響を与えているというものであった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年,2月,3月の調査に,平成25年度予算を繰り上げて使用し,計画していた調査は,ほぼ,終了したので,平成25年度は,データのコンピュータ入力作業と分析が残るだけとなっているため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,今までに収集したデータ,情報を整理し,分析したうえで,学会等で報告する.また,学会報告等で得られたコメントを参考に,論文を修正し,学会誌に投稿する.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし.
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