研究概要 |
本年度は、超高速超高頻度データベースについての可視化機能の追加と、データベースを利用した応用分析に焦点を絞り研究を行った。 データベースへの可視化機能については、どのような可視化方法が最も超高頻度データ分析に有効であるかの検証と、また、そのリアルタイムでの可視化機能の実装に取り組んだ。しかしながら、リアルタイム可視化については十分実用的な速度を実現することができなかった。今後、より低級なプログラミング言語を利用した開発と、描画アルゴリズムの検討が必要であることが明らかになった。 また、データベースの基本機能として、秒単位のデータの集計機能などについての機能追加を行った。また、従来よりさらに高速にデータにアクセスできるような改良を加えた。この結果、従来より短い時間間隔での流動性の共通性の検証が可能になった。 応用分析では、データベースから計算される流動性尺度を用いて、当該企業に関するテレビ報道と、その株式流動性の関係についての分析を行った。ここで取り扱った株式流動性尺度は quoted spread, effective spreadおよびdepthである。 分析の結果、企業のディスクロージャーと企業に関するテレビ報道はスプレッドの観点で流動性を悪化させること、また、このような公的な情報は投資家の情報の非対称性を拡大させることが示された。また、depthの観点からはマスメディアのカバレッジと流動性の間に正の相関があることが示された。
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