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2012 年度 実施状況報告書

マネジメントファッションの生起・普及・衰退プロセスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23653093
研究機関大阪大学

研究代表者

関口 倫紀  大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20373110)

キーワード企業経営 / 流行現象 / 普及・浸透プロセス / 制度化 / 同型化
研究概要

本課題研究2年目となった平成24年度は、前年度の研究成果を踏まえ、マネジメント・ファッションに関わる関連文献のさらなるサーベイと実証研究を推進した。文献サーベイについては、新規性の高い経営手法に絡む現象としてのマネジメントファッションの生起、普及、浸透および終焉のメカニズムに関連する追加的な文献研究を行い、理論構築作業を進めた。実証研究に関しては、日本の人事・雇用における施策の流行と衰退についての事例についてのアーカイブ・データを時系列的に収集し、その傾向を分析したうえで、マネジメント・ファッションに関連する理論との整合性を吟味するとともに、企業経営への示唆を導いた。
その中間的成果として、「マネジメント・ファッションと企業行動」というかたちにまとめた論文を、経営行動科学学会にて発表し、当該論文は発表論文集に収録された。さらに、マネジメント・ファッションの考え方を援用したうえで日本企業の成果主義人事制度の普及プロセスについて分析を行った学術論文が、International Journal of Human Resource Management誌に掲載された。
その他、マネジメント・ファッションに関連する経営上のトピックスとして、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの流行および普及が企業経営等にもたらす効果を調べるためのアンケート調査の実施や、モバイル・テクノロジーの普及、ワーク・ライフ・バランス施策の普及に関連する要因について、前年度に行ったアンケート調査のデータ分析も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、マネジメントファッション現象に関する理論構築を推進するとともに、実証研究を実施する計画であったが、どちらについてもおおむね予定通り実施することができた。
理論構築面に関しては、昨年度に引き続き関連文献のサーベイを行った結果、マネジメント・ファッション現象についての理解を深めることを可能にする理論枠組みの構築が進展し、その成果を論文のかたちで学会で報告することにつながった。これは、中間的成果として、今後のより精緻な理論構築につながるものである。
実証研究面については、アーカイブ・データの収集と分析を通じて一定の成果が得られたほか、前年度に行ったオンライン・サーベイの分析や、さらなるアンケート調査の実施を通じて、次年度における論文の作成や研究成果のまとめにつなげるためのデータを蓄積することができた。

今後の研究の推進方策

最終年度となる平成25年度は、まず、これまで行ってきたマネジメント・ファッションに関する統合的な理論構築の試みと、実証データを用いた理論枠組みの妥当性の検証についてさらなる作業を進める。理論構築については、すでにある程度の枠組みはできつつあるが、最新の学術論文などを再度サーベイすることにより、理論枠組みの強化に努める。
また、これまで実証研究というかたちでアーカイブ・データの収集やアンケート調査などを実施してきたが、さらに実証データを強化するため、本年度も追加的な実証調査を実施する。加えて、蓄積されたデータを高度な統計手法をはじめさまざまな手法を用いて多角的な視点から分析し、マネジメント・ファッションに関連する新たな発見を得るための作業を行う。
上記のような作業をふまえ、これまでの研究成果をまとめたかたちのアウトプットを作成したものを、国内外での学会発表や学術雑誌への投稿というかたちで研究報告をしていく。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したところ当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。そのうえで平成25年度については、前年度に引き続き、マネジメントファッション現象に関する統合的な理論構築の完成に近づくとともに、マネジメント・ファッションの具体的事例に関する実証研究についても結果の整理と結論を導いていく。
理論構築面に関しては、追加的な文献収集と、マネジメント・ファッショントレンドの時系列推移のための文献やアーカイブ・データの収集を行う。したがって、書籍代、資料代などが発生する予定である。実証研究面においては、これまで行った調査のデータ分析や、あらたなデータ獲得のための調査を実施する。そのため、高度な分析を行うための統計分析ソフトウェア、調査にかかる質問紙作成や、質問紙の配布、回収費用などが発生する予定である。
さらに、本研究課題によって得られた成果を国内外の場において発表するための旅費、および資料やデータの整備や分析にかかるアルバイト費用などの人件費が発生する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 職場の同僚に着目したワーク・ライフ・バランス支援制度の利用促進に関連する要因の検討―地方自治体における実証分析2013

    • 著者名/発表者名
      細見正樹・関口倫紀
    • 雑誌名

      日本労働研究雑誌

      巻: 634 ページ: 92-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Theoretical implications from the case of performance-based human resource management practice in Japan: Management fashion, institutionalization and strategic human resource management perspectives2013

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Sekiguchi
    • 雑誌名

      International Journal of Human Resource Management

      巻: 21 ページ: 471-486

    • DOI

      10.1080/09585192.2012.703414

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マネジメント・ファッションと企業行動2012

    • 著者名/発表者名
      関口倫紀
    • 雑誌名

      経営行動科学学会第15回年次大会発表論文集

      巻: 15 ページ: 1-6

  • [学会発表] ジョブ・クラフティングへの関係性アプローチ--社会的スキルとジョブ・ステイタスに着目して2012

    • 著者名/発表者名
      関口倫紀・歴傑・細見正樹
    • 学会等名
      経営行動科学学会第15回年次大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20121117-20121117
  • [学会発表] Social Network Site and corporate strategic goals: case study in Brazilian companies2012

    • 著者名/発表者名
      Marcos Hideyuki Yokoyama & Tomoki Sekiguchi
    • 学会等名
      Annual convention, Japanese Association of Administrative Science
    • 発表場所
      Kobe University
    • 年月日
      20121117-20121117
  • [学会発表] 倫理的品性開発を中心としたリーダー育成モデルの構築2012

    • 著者名/発表者名
      牧美喜男・関口倫紀
    • 学会等名
      経営行動科学学会第15回年次大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20121117-20121117
  • [学会発表] マネジメント・ファッションと企業行動2012

    • 著者名/発表者名
      関口倫紀
    • 学会等名
      経営行動科学学会第15回年次大会
    • 年月日
      2012-11-17

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公開日: 2014-07-24  

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