東証一部上場企業の業績をソーシャル・キャピタルの観点からとらえた取締役会の構成の観点から分析した。監査役を含めた取締役会メンバーの生え抜き度を企業の閉鎖性,社長と他の役員との年齢差と社長の在任期間を企業の凝集性の代理変数とした。生え抜き度が高く閉鎖性が高い企業ほど業績はよかった。ただし凝集性が高いと企業の付加価値(主に利益と人件費)率は低下傾向がみられるので,業績のよさは朗度湯者の賃金の削減に起因する部分がある。また,社長の年齢が上がると業績は低下するので,凝集性が常に業績にプラスにはたらくかについては,より綿密な検証を必要とする。
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