繊維産業を中心に、日本中小企業の国際マーケティングの現状と課題について調査を行った結果、以下のことが判明した。トレンドを発信しようとする欧米企業とトレンドに追随しようとする日本企業との間では、行動パターンが大きく異なる。日本の中小企業が付加価値を高めるには、欧米のトレンド発信志向の顧客と連携することが重要であり、トレンド発信志向の事業行動を自らもとる必要がある。他方で、海外への出展や顧客への訪問を継続的に行うのは容易ではないため、国内でもトレンド発信を効果的に行うための基盤を形成する必要がある。近年、繊維産業に限らず、日本の様々な「成熟産業」に若年者が関わるようになっていることは注目される。
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