研究課題/領域番号 |
23653111
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研究機関 | 福岡女子短期大学 |
研究代表者 |
柳 純 福岡女子短期大学, その他部局等, 准教授 (50353181)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 商学 / 経営学 / マーケティング / 日系小売企業 / 小売国際化 / 海外出店 / 現地化 / 市場適応行動 |
研究概要 |
今日、中国政府の流通開放政策を契機に世界的に大規模な小売企業の中国への出店数が増している。日系小売企業も1990年代後半以降、本格的に出店を開始しており、現在では三越、伊勢丹、イオン、セブン-イレブン、ファミリーマートなどの大手小売企業が先行している。本研究では、(1)台湾経由で中国へ出店している日系小売企業(台湾経由中国出店モデル)と、(2)中国へ直接出店している日系小売企業(中国直接出店モデル)に着目して、日系小売企業の中国出店行動の2つのパスを比較分析することで、第三国へ向けた小売進出に関する理論構築を提示することを目指している。 大多数の日系小売企業の中国出店パターンは、(2)のケースであるが、ともあれ、両モデルに関しては、文献調査およびヒアリング調査を通じて出店の実態を把握し明確にするとともに、その特徴を抽出することには意義があると考えられる。 本年度は、台湾においては文献図書を中心に研究資料の収集(物品費)を行うと同時に、財団法人交流協会台北事務所にも赴き、台湾商業の現状や大陸投資の展望などのヒアリングを実施した。また小売企業へは大葉高島屋および倍適得電器(BEST電器)へのヒアリング調査を実施(旅費)し、阪急百貨や漢神巨蛋といった日系大型商業施設の情報収集も行った。 一方で、中国においては東部沿岸部よりも著しい成長を遂げつつある内陸部へ、いち早く出店している日系小売企業の平和堂に対してヒアリング調査を実施した。日本ではスーパーを展開している平和堂の海外初出店先は、中国内陸部の湖南省長沙市(1998年)であり、現地では出店当時にまだ数少ない近代的百貨店として出店しており、現在では近隣都市の店舗を含めて3店舗を保有している。なお、この中国における小売企業へのヒアリング調査では、研究協力者にも翻訳の協力をいただいている(謝金)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定地域および対象企業に対しての調査が完全に実施できているわけではないが、進捗状況は想定内と思われる。文献収集に関して、初年度ということで多めの発注となり、物品費が若干多く要したことを除けば順調である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の計画にしたがっておおむね順調に進展しているが、調査予定の小売企業の都合や訪問タイミングなどが合わずに、訪問日時を調整したり訪問先を選定し直すことが生じたので、早めのアポイントメントの検討を実施していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、研究協力者に対して実費としての旅費および謝金を支出する予定であったが、委託契約の書類作成上の不備により謝金のみの支払いとなり、その結果として予定内訳の旅費の支出額との若干のずれにつながっているため、契約文書作成には、その点を盛り込むことを精査する。
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