研究課題/領域番号 |
23653115
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
小林 直樹 玉川大学, 工学部, 助教 (80534825)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 実証的会計研究 / MCMC / ベイズ分析 |
研究概要 |
本研究は,頻度論に立脚した分析の枠組みにとらわれず,今までにはなかった現実をより反映したモデル構築による新たな実証的会計研究のフレームワークを提供することによって,将来の実証的会計研究のさらなる発展に資することをその目的とする. 本年度は研究初年度に該当し,モデル構築に不可欠なプログラムスキルの修得を目的とした研究会への参加ならびに自らが研究会を発足させた.本研究会は当初2名で始まり,現在は3名と少人数で構成されている.現在は,統計分析ソフトのRを用い,ベイズ理論による分析をいかに実証的会計研究分野へ応用させていくか研究している.そのほか,参加・発表した国内外の学会ではベイズ分析によるMCMCが他分野では幅広く応用されてはいるものの,実証的会計研究ではいまだに頻度論に立脚した状態から脱却できない現状を確認した.しかしながら,シミュレーションには興味があるとの声もあり,少しずつではあるが既存の枠組みに囚われない思考を持ち始めている研究者もいることも併せて確認した.なお,具体的な年間研究活動については下記の通りである.8月:統計数理研究所における公開講座へ参加,9月:研究会発足,10月:北京で開催されたAsian-Pacific Conference on International Accounting Issues にて,AN EMPIRICAL ANALYSIS OF THE PRACTICAL USEFULNESS OF IMPAIRMENT ANNOUNCEMENTS IN JAPANを発表,1月:医学統計公開講座へ参加,3月:タイで開催されたInternational Research Conference on Management, Engineering and Technology (IRCMET)へ参加
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は震災の影響があり,初年度に予定したデータ購入を見送った.これは,震災の影響を受けたデータはそのボラティリティ増大に伴い,データそのものが異常値となりやすい.そのため,震災の影響が大部分緩和されるまでデータ購入を見送ることとした.なお,それ以外の研究計画は順調に進んでいるものと理解している.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は国内外の学会に参加,発表を通じて,実証的会計研究におけるMCMCの有用性をさらに説くと同時に,データ収集ならびにモデリングを本格的に進めていく予定である.その遂行にあたり,様々な状況を勘案しながらデータ購入の時期を検討する.また,研究会では,実証的会計研究へのMCMCの応用をいかに具現化するか共同で研究を進め,論文の執筆を目指す.
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品費 905,000旅費 400,000人件費・謝金 400,000その他 100,000(単位:円)
|