研究課題/領域番号 |
23653115
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
小林 直樹 玉川大学, 工学部, 准教授 (80534825)
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キーワード | 実証的会計研究 / MCMC |
研究概要 |
本研究は,頻度論に立脚した分析の枠組みにとらわれず,今までにはなかった現実をより反映したモデル構築による新たな実証的会計研究のフレームワークを提供することによって,将来の実証的会計研究のさらなる発展に資することをその目的とする. 研究2年目となった本年度は,昨年度に引き続きモデル構築に不可欠なプログラムスキルの修得を目的とした研究会を継続し,昨年度構成メンバー3名に,吉田健一氏(経済学修士)が加わり,ベイズ理論を実証的会計研究に活用する土台構築を目指した.昨年度は,統計分析ソフトのRを用い,ベイズ理論による分析をいかに実証的会計研究分野へ応用させていくかを研究し,今年度はWinBugsによるMCMC分析を試みた. 過去の研究の中には,理論とシミュレーションが融合されたものもあったが,本研究のツールであるMCMC分析が動的なシミュレーションで制約条件がほとんどない状況である一方で,それら研究は静的なシミュレーションであるため,分析にも大きな制約があったことを確認した.こうした制約が現実的なモデル構築を阻害する要因であるため,改めて本研究の意義を確認した. なお,具体的な年間研究活動については下記の通りである. 4月:研究会(4/7,4/21),5月:研究会(5/12),6月:研究会(6/2,6/23),7月:研究会(7/7),9月:研究会(9/15,9/29),10月:研究会(10/27),11月:ハワイで開催されたAPCにて,Empirical Analysis on Segment Information: Evidence from Japanを発表,1月:研究会(1/27),3月:タイで開催されたInternational conference on Business, Economics and Accounting (IBEA)へ参加
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は,3月11日の大震災による影響を回避するため,財務諸表データの購入を見合わせた.本年度もデータ購入を予定していたが,比較的安価であったため,当初の見積支出金額に未達であった.その他,昨年度から継続している専門的知識の提供を受け,今後の研究に必要な知識を着実に修得している.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は本年度に回避できたデータ支出分による余剰分を有効的に消化し,引き続き,各方面から専門的知識を継続して提供していただき,従前の財務会計のフレームワークでは扱わないMCMCによる分析を着実に終結できるよう本研究を推進していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,昨年度に引き続き,分析に必要なデータを購入する予定である.その他,専門的知識の提供に伴う謝金,さらに学会参加,報告に伴う旅費が支出される予定であり,内訳は下記の通りである. 物品費:1,305,000円 人件費・謝金:200,000円 旅費:200,000円 その他:100,000円
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