研究課題/領域番号 |
23653118
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
田口 聡志 同志社大学, 商学部, 准教授 (70338234)
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研究分担者 |
上枝 正幸 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (20367684)
水谷 覚 帝塚山大学, 経営学部, 准教授 (70461853)
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キーワード | 会計制度 / 国際会計基準 / ゲーム理論 / 実験経済学 / コンバージェンス |
研究概要 |
本研究は、企業会計において喫緊の問題である国際会計基準を巡るコンバージェンスないしアドプションを巡る各国間の動向を、実験比較制度分析という新しいアプローチにより検討することで、その経済的な帰結を予測すると共に、世界経済の中で我が国が果たすべき役割(会計戦略)の一端を明らかにすることを目的とするものである。具体的には、会計制度を各プレイヤーの「共有予想」(ゲームの均衡)として捉え、これまでの理論モデルで示される「国際会計基準のジレンマ」問題を精緻化すると共に、実験経済学の手法により、当該モデルを実験的に検証し、その経済的帰結を明らかにすることを目的とする。 当年度は、前年度から引き続き、同志社大学および青山学院大学において経済実験を実施し、そのデータを解析するとともに、理論モデルを精緻化する作業を行った。同時に、現時点での研究成果を公表する作業にも積極的に取り組み、申請段階で予定していたとおり、8月にはAAA(American Accounting Association) 米国会計学会世界大会にて研究報告を行った。また、11月にはTJAR (The Japanese Accounting Review) The 3rd International Conferenceでも報告を行うなど、国際会議での研究成果の公開にも積極的に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書にも記載のとおり、当年度は目標の1つとして掲げていたAAA(American Accounting Association) 米国会計学会世界大会での研究報告のほか、申請当初には予定していなかったTJAR (The Japanese Accounting Review) The 3rd International Conferenceでの報告など、研究成果の公開について目標を着実に達成することができている。また、同時に、既存モデルを拡張した新たなコンバージェンス・モデルの検討およびその実験計画についても随時議論を進めている。以上から、研究全体としては、概ね当初の計画通りに進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は研究の最終年度として、①既存モデルによる経済実験のほか、②新たなコンバージェンス・モデルの精緻化、および、③②の新たなモデルによる実験実施を進めると共に、④研究成果の公開に向けても積極的に作業を進めていく予定である。特に、④については国内の学会やジャーナルに投稿するだけではなく、国際会議や国際ジャーナルについても積極的に投稿を行なっていき、研究成果を広く公開することが出来るよう努力をしていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請書において当初計画していた通りの使用をしていく予定であり、特に変更点はない。具体的には、これまでと同様、ヒアリング、打合せ、研究報告等のための旅費交通費、実験被験者に対する謝金のほか、英語論文執筆・投稿のための英文校正費用やジャーナル投稿料などに使用する予定である。また上記のほか、実験デザインの精緻化、実験データの信頼性向上・精緻化の観点から、必要に応じて、実験実施に必要となる用具・電子機器等に使用することも念頭に置いている。
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