研究課題/領域番号 |
23653123
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山田 勅之 神戸大学, その他の研究科, 研究員 (40582995)
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キーワード | 観光 / 民族問題 / 新疆ウイグル自治区 / 内モンゴル自治区 |
研究概要 |
本研究の目的は中国少数民族地域のうち、チベット自治区、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区を対象に、観光産業発展の動態を明らかにし、発展の恩恵の行方と民族問題の関連を検討することにある。 平成24年度においては、8月11日~8月24日にかけて新疆ウイグル自治区を調査し、また2月13日~3月1日にかけて新疆ウイグル自治区と内モンゴル自治区において調査を実施した。それぞれにおいて、旅行会社、ホテル、土産屋、観光スポットを調査対象とした。調査の成果についてそれぞれの自治区につき1点ずつ挙げる。 まず、新疆ウイグル自治区において、ウルムチの観光客向けショッピングモール国際大バザールの商店主はウイグル族50.5%、漢族35.6%、回族12.8%で半数はウイグル族であった。一方、ホータンの玉石屋はほぼ全てが漢族経営であった。以上から、ウイグル族も発展の果実を得ていなわけではないが、業種によって漢族の独占が見られることがわかった。 内モンゴル自治区において、観光スポットは主にチベット仏教寺院を調査したが、財政収入は入場料収入のほかに信者の布施が無視できない額にのぼり、また寺院によって漢族信者が多い寺院、モンゴル族信者が多い寺院に分かれることがわかった。また、オルドスのチンギスハン陵は埋葬の歴史的根拠は全くないが、供え物を持参するモンゴル族の来訪者が多く、現在彼らにとって一種の聖地と化している実情が見えてきた。 なお、研究発表は雑誌4編、発表2回を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
旅行会社、ホテル、土産物屋、観光スポットに対する調査の手法として、アンケート調査を予定していたが、新疆ウイグル自治区では、2009年のウルムチでの騒動や各地(カシュガル、ホータン)の騒乱事件、また尖閣問題の影響により、町中に公安や武装警察が配備され、アンケート調査は困難な面が多かった。代替として聞き取り調査を実施しその不足を補った。 全体として、(2)と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度夏季には、内モンゴル自治区にて、繁忙期における旅行会社、ホテル、土産屋、観光スポットの調査を実施する。調査には、平成24年度で得た人脈を通じて、内蒙古大学教員、内蒙古自治区旅游局の協力を得ながら実施する。このように現地関係機関と協力することにより、より一層確実性を増幅させたい。 さらに得られた調査データを整理し、チベット、新疆、モンゴル3自治区の実情を比較分析し、本年度は報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上述の通り、平成25年度では、内モンゴルにて調査を実施するので、調査旅費が必要となる。また、関連の書籍、画像・音声記録の記憶媒体などの購入が必要となる。 国内での学会発表を2回計画している。そのための出張旅費が必要となる。
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