研究課題/領域番号 |
23653130
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
豊島 慎一郎 大分大学, 経済学部, 准教授 (60315314)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | コミュニケーション・情報・メディア / ソーシャルメディア |
研究概要 |
本研究は,ソーシャルメディアを介したコミュニケーションに基づくネットワーク・コミュニティの形成過程について、社会学の視点から明らかにすることを目的とする.具体的には,新しいソーシャルメディアの一つである「ライブ・インタラクティブ・ブロードキャスト・プラットフォーム」(Ustream)によるライブ番組制作・配信を音楽活動の一環として行っている,プロ・ミュージシャンA氏(仮名)のメディア実践を事例として,実践者や視聴者への聞き取り調査及び映像データの記録・収集を主とした現地調査に基づく質的分析を通して,メディア・コミュニケーションによるネットワーク・コミュニティ形成プロセスを検討する.(1)現地調査(計4回実施)(a)「調査対象者(実践者A氏)及び関係者への聞き取り調査」:平成23年7月,12月,2月に東京都,平成24年1月に姫路市で実施した.(b)「A氏のライフ・ヒストリーに関する調査」:平成24年1月にA市の出身地である姫路市において予備的調査(フィールド・ワーク)を実施した.(c)「ネット配信に関する現地調査」:A氏,東京都内及び姫路市内のあるライブハウスのオーナー,観客の許可を得て,ライブやネット配信の様子を映像データとして記録した.(2)ネット調査(毎週)A氏の協力を得て,平成23年7月から現在に至るまで,毎週配信されているネット番組を映像データとしてほぼ全て記録するとともに,毎回の視聴者数も確認している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)ソーシャルメディアに関する基礎文献・資料の収集,(2)現地調査によるデータ収集といった基礎的作業は,ほぼ予定通り行われているため,おおみね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
(1)文献や資料の収集・整理及び現地調査の継続(2)ライブ番組視聴者への聞き取り調査・メール調査ライブ番組の中核的な視聴者(「Ustream」内のチャットへの参加頻度が高く,かつ実際にライブ会場に高い頻度で訪れる視聴者:数名)に対して,ソーシャルメディアを活用したA氏の音楽活動やA氏や他の視聴者とのコミュニケーションに関する意識,番組への参加動機等についてデータ収集を行う.(3)大学生を対象とした調査票調査A氏を大分大学に招き,ソーシャルメディアと音楽活動に関する報告会を開催し,受講生を対象に,A氏の活動実践やソーシャルメディアへの現状認識に関する調査票調査を実施する.なお,報告会は研究代表者が担当する授業(科目名:「情報社会論」)で行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)調査・研究旅費聞き取り調査及び現地調査(東京)を年6回程度実施する予定である.(2)調査協力者旅費A氏(東京在住)を大分大学に招き,学生を対象とした実践報告会の開催や調査を行う.(3)学会における情報収集・成果報告のための旅費当初「未定」として申請していたが,次年度も現地調査を中心に研究を遂行するため,調査・研究旅費に変更する予定である.
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