研究課題/領域番号 |
23653130
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
豊島 慎一郎 大分大学, 経済学部, 准教授 (60315314)
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キーワード | コミュニケーション・情報・メディア / ソーシャルメディア |
研究概要 |
本研究は,ソーシャルメディアを介したコミュニケーションに基づくネットワーク・コミュニティの形成過程について,社会学の視点から明らかにすることを目的とする.具体的には,新しいソーシャルメディアの一つである「ライブ・インタラクティブ・ブロード キャスト・プラットフォーム」によるライブ番組制作・配信を音楽活動の一環として行っている,プロ・ミュージシャンA氏(仮名)のメディア実践を事例として,実践者や視聴者への聞き取り調査及び映像データの記録・収集を主とした現地調査に基づく質的分析を通して,メディア・コミュニケーションによるネットワーク・コミュニティ形成プロセスを検討する. (1)現地調査(a)「A氏及び関係者への聞き取り調査」:兵庫県姫路市(平成24年4月・平成25年1月),東京都(平成24年10月・平成25年2月)で実施した.(b)「A氏のライフ・ヒストリーに関する調査」:平成24年4月と平成25年1月にA氏の出身地である姫路市においてフィールド・ワークを実施した.(c)「ネット配信に関する現地調査」:A氏,東京都内及び姫路市内にあるライブハウスのオーナーや観客の許可を得て,ライブやネット配信の様子を映像データとして記録した. (2)ネット調査(毎週):A氏制作のネット配信番組を映像データとしてほぼ全て記録しており,毎回の視聴者数も確認している. (3)グループ・インタビュー:平成25年1月に,頻繁にライブに訪れているネット配信番組の視聴者13人を対象にグループ・インタビューを実施した. (4)質問紙調査:平成25年1月に,A氏と番組制作スタッフを大分大学に招き,大学生を対象とした特別講義(題目:「ソーシャルメディアと音楽活動について」)を開催した.その際.受講生110名を対象に,講義内容に関する自由記述方式の質問紙調査を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は現地調査を6回実施する予定であったが,平成24年7月に起きた九州北部豪雨の影響により,現地調査の予定を当初計画から変更する必要性が生じ,年度内に調査実施の上,成果を取りまとめることができなくなったため.
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今後の研究の推進方策 |
(1)当該研究費が生じた状況 平成24年7月に起きた九州北部豪雨の影響により,現地調査の予定を当初計画から変更する必要性が生じ,今年度内に調査実施の上,成果を取りまとめることができなくなった.そのため,今年度に未使用額が生じた. (2)研究を遂行する上での課題と対応策 次年度は,研究費による現地調査に加えて,基盤研究経費(大分大学)と私費を使用して,現地調査を数回実施することにより,分析に必要なデータの収集を継続する.そして,年度中に聞き取り調査や現地調査等により収集したデータの内容分析を行い,平成26年度には学会報告を行い,学術論文の執筆につなげる.
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次年度の研究費の使用計画 |
翌年度以降に請求する研究費は,未完了分のA氏及び関係者への聞き取り調査及び現地調査(於:東京都,兵庫県姫路市または大阪府大阪市)の費用に充てる.調査の実施は,9月を予定している.
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