研究課題/領域番号 |
23653132
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
糟屋 美千子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (20514433)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | クリティカル・ディスコース分析 / テレビニュース / 環境報道 / マルチ・モダリティ / メディア・ディスコース / 日英比較 |
研究概要 |
本研究は、クリティカル・ディスコース分析のアプローチを用いて、環境問題に関する日英のテレビニュースのディスコースの様々な要素のマルチ・モダリティ分析を行い、環境問題についての現代社会のイデオロギーが、テレビニュースのディスコースにより、どのように構築されているかを解明することを目的としている。23年度は、研究の第一段階として、環境問題に関する日英のテレビニュースのデータを収集し、言語的要素・パラ言語的要素を抽出し、環境問題に関するテレビニュースのイデオロギー構築のマルチ・モダリティ分析のためのフレームワークを作った。具体的には、まず、テレビニュースを録画し、録画データの中から環境問題についてのニュースを選択し、アンカー・レポーター・インタビューの言葉などの言語的要素、映像などのパラ言語的要素を書き起こし、スクリプトを作成した。それらのディスコースにおいて、環境問題について特定の考え方を構築しているとみられる言語的要素・パラ言語的要素を抽出して、クリティカル・ディスコース分析を中心としたディスコース理論やメディア理論に基づいて検討した。 こうした検討の結果、環境問題に関するテレビニュースのイデオロギー分析のためのフレームワークとして、環境問題のどのような側面が語られ、また、語られなかったかといった情報の選択、環境問題について特定の見方を表していると考えられる語彙および語法、映像等の視覚的要素などのディスコースの要素が抽出され、環境問題に関するイデオロギー分析のためには、これらの諸要素を総合的に検討することが必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの研究は、当初の計画どおり、23年度に、日英のテレビニュースのデータの収集、選択したデータのスクリプトの作成、データからのイデオロギー構築の要素の抽出、これらに基づいたフレームワークの作成を行い、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、研究の第二段階として、23年度に作成したフレームワークを使い、環境問題に関する日本のテレビニュースのディスコースの言語・パラ言語的要素の微細なマルチ・モダリティ分析を行い、これらの要素の相互作用により、環境問題の原因や解決方法など、環境問題に関するイデオロギーがどのように構築されているかを明らかにする。さらに、第三段階として、環境問題に関する英国のテレビニュースのディスコースの諸要素を分析し、日本のニュース・ディスコースとの比較検討を行うことにより、ディスコースによるイデオロギー構築のメカニズムを多面的視点から検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実施状況報告書の次年度使用額となっている74,451円のうち、67,895円は、実際には24年3月に旅費等で使用済みである。残金の6,556円は、購入が遅れていたプリンタ消耗品を購入する物品費として使用する。次年度の研究費は、データ分析を行うために、データ記憶メディア等を購入する物品費として使用する。また、次年度は、国内・国外の関連学会で研究成果を発表する予定である。そのため、学会参加費として、国内旅費および外国旅費を使用する。また、外国語論文の校閲費用として使用する。
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