研究課題/領域番号 |
23653141
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
石田 淳 大阪経済大学, 人間科学部, 准教授 (40411772)
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キーワード | 質的比較分析 / ブール代数分析 / エージェント・ベースド・シミュレーション / ナショナル・アイデンティティ |
研究概要 |
本研究課題は、ブール代数分析を前提とした調査設計に基づいた質問紙調査を実施し、人びとがもつ社会的カテゴリーイメージをブール代数式として把握・分析するという新しい分析手法を確立することを目的とする。さらに、経験的研究の成果を受けて、さらにイメージ生成過程を一種のエージェント・ベースド・モデルとして表現することを試みる。具体的には、「日本人」という社会的カテゴリーについてのイメージを取り上げ、(1)ブール代数分析の社会的カテゴリー研究への応用可能性、(2)「日本人」イメージの分布とナショナリズムの関係性、(3)イメージ生成に関する理論的考察、を解明目標とする。 本年度は引き続き先行研究のレビューを行うとともに、日本におけるナショナル・アイデンティティ、エスニシティ研究者2名(田辺俊介氏、稲津秀樹氏)にインタビューを実施し最前線の研究動向について情報収集した。さらに引き続き、ISSPの国際比較調査データの二次分析を行い、「日本人」イメージ生成についての理論枠組みと作業仮説の整理を試みた。 また、ブール代数分析を前提とした調査法の応用の一環として、別プロジェクトの枠内ではあるが、人々の準拠集団選択についての実験的なインターネット調査を実施した。当初計画では、本年度中に「日本人」イメージを主題とする1,000サンプル規模のインターネット調査を実施する予定であったが、予算と時間の都合上、次年度に実施することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2年目の交付額が申請額に比べて少額にとどまったこと、本プロジェクト外の理由により当初予定していたよりも、研究の進捗に遅れが出たことによって、今年度実施を予定していたインターネット調査を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の8月を目標に、インターネット調査の準備を進める。その後は、調査結果の分析を進めるとともに、イメージ生成過程についてのエージェント・ベースド・モデルの構築に従事する。
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次年度の研究費の使用計画 |
インターネット調査の調査委託金を確保するために、今年度も請求額よりも少ない額の消化にとどめた。次年度使用額と次年度請求額を合わせた相当の部分をインターネット調査費用に割り当てる。それとともに、研究成果の発表のための旅費にも支出する。
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