研究概要 |
本研究課題は、ブール代数分析を前提とした調査設計に基づいた質問紙調査を実施し、人びとがもつ社会的カテゴリーイメージをブール代数式として把握・分析するという新しい分析手法を確立することを目的とする。さらに、経験的研究の成果を受けて、イメージ生成過程を一種のエージェント・ベースド・モデルとして表現することを試みる。具体的には、「日本人」という社会的カテゴリーについてのイメージを取り上げ、(1)ブール代数分析の社会的カテゴリー研究への応用可能性、(2)「日本人」イメージの分布とナショナリズムの関係性、(3)イメージ生成に関する理論的考察、を解明目標とする。 本年度は、「日本人」イメージを主題とする2,000サンプル規模のインターネット調査を企画し、10月に実査を行った。調査の主要な項目として、国籍・在住・血統・言語のあるなしを組合せた16パターンのプロフィールを調査対象者に提示して、日本人であるかどうかを判断してもらった。この結果の分析を通して、人びとに共有される「日本人」イメージのパターンを抽出した。また、イメージのパターンの違いと属性・社会的地位要因、そして地域の外国人顕在性という地域特性との関連を分析した。これらの成果は平成26年3月の数理社会学会大会で報告された。さらに、平成26年7月の世界社会学会大会において報告が決まっており、最終的には成果を論文の形でまとめて平成26年中には刊行する予定である。
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