本研究の目的は視覚障害者同士、および視覚障害者と晴眼者がクライミングを行う際に取るコミュニケーションの諸相をフィールド調査によるデータにもとづき記述・分析し、多様なコミュニケーションの可能性を発見することにある。暫定的結論として、ボランティアによる「無償」の援助とクライミングスクールなどによる「有償」のサービスに対する肯定的/否定的な意識が、障害者がアウトドア活動に参加する際の実際的な軋轢の原因となっている可能性があることを突き止めるとともに、視覚障害者のコミュニケーションを円滑にするためのデータを収集した。
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