研究課題/領域番号 |
23653150
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 浩二 長崎大学, 大学病院, 准教授 (60161303)
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研究分担者 |
鈴木 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (80179192)
鈴木 裕介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90378167)
内藤 純子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40403282)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 医療連携業務 / 業務の標準化 / 在宅医療の評価 |
研究概要 |
1)退院支援システムに関する実態調査と分析 (1)医療連携部門の業務実態を把握するために、「前方連携」に関する17質問項目、「後方連携」に関する22項目を選定し、アンケート調査を実施した。国立42大学中41大学からの回答を集計・分析し、医療連携業務の現状を明らかにした。 (2)業務項目の標準化を行い、それを基に病院間の業務の特殊性を調査する目的で、まず5大学病院(東大、浜松医科大、信州大、神戸大、長崎大)の医療連携部門で実施している業務を全て収集し、52項目(退院支援38項目、院外組織連携9項目、広報1項目、研修2項目、学術・研究1項目、その他1項目)に類型化した。これらの業務実施状況を調査した結果、全病院(41病院)で実施されている業務は55項目中26項目であり、逆に「医療連携部門スタッフによる回診」「患者代行業務」「院外業務」は、それぞれ47.6%、64.3%、66.7%の病院でしか実施されていなかった。2)在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築 試験的に1大学において、同意の得られた在宅移行患者を対象に、訪問医師、訪問看護師、ケアマネジャーによる評価を退院2週間後、2ヶ月後、在宅医療終了時に実施した。評価項目は、患者の状態、退院のタイミング、医療・看護、ケマネジメント、介護、家事援助、住宅、認知・メンタルケア、経済的問題についての評価、患者・家族の不安・不満・要望、退院時に不十分だった情報、患者の生活行為の状況、病院にフィードバックすべき内容、とした。退院2週間後の評価が得られた件数は18件で、その内訳は医師7件、訪問看護師8件、ケアマネジャー6件であった。2職種からの評価が得られた症例は3ケース、3職種全てから評価が得られた症例はなかった。この試験的調査から評価項目数ならびに依頼の方法について再検討を行い、本調査を実施する必要性が認識された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「2)在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築」について、試験調査を行った結果、再検討をする必要性が示唆されたため、本調査開始に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
「在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築」について、試験調査を行って結果、調査項目のスリム化と各職種への依頼の方法を再検討して、複数の大学病院で本調査を実施する。また患者・家族への聞き取り調査項目についても分担研究者と打合せをして検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する予定の研究費はない。翌年度以降に請求する研究費については、在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築」の試験調査での問題点解決のための打合せ旅費ならびに、本調査費用と分析費用を考えている。
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