研究課題/領域番号 |
23653150
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 浩二 長崎大学, 大学病院, 准教授 (60161303)
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研究分担者 |
鈴木 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (80179192)
鈴木 裕介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378167)
内藤 純子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40403282)
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キーワード | 医療連携 / 在宅医療 / 業務指標 |
研究概要 |
1)医療連携に関する実態調査と分析 ①平成23年度国立大学医療連携部門の業務を把握するために、「前方連携」「後方連携」に関するアンケート調査を実施した。前方連携では、FAXによる初診紹介患者の事前予約実施率が81.0%、院外からの検査予約実施率68.3%。ベッドコントロールは66.7%の病院が病棟主体で行われていた。後方連携では、退院支援スクリーニング実施率は95.2%と高かったが、入院決定時の早期に行っている割合は23.1%と低かった。急性期病棟等退院調整加算算定率の中央値は1.7%と低く、退院支援計画書が十分作成されていないことが示唆された。在退院時共同指導算定件数の中央値は6件で、退院前合同カンファレンスの開催が困難であることが示された。 ②医療連携部門が行っている業務件数(がん相談、苦情相談、インフォームドコンセント調整・同席、セカンドオピニオン対応、相談面談、退院支援、広報業務、院内外カンファレンス、講習会・研修会、学会発表、一般的相談)ならびに病院数値(病床数、紹介率、逆紹介率、平均在院日数、病床稼働率)について調査した結果、経年的に業務量が増加している一方で、病院間の格差が大きいことが明らかとなった。その理由として、「各病院の業務規模が異なる」「病院内で対応部署が複数に分かれている」「業務記録やカウント方法が統一されていない」「記録そのものが不十分である」ことが考えられた。 2)在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築 平成23年度、在宅移行した患者に携わった在宅医療関係者にアンケートによる評価を退院2週間後、2ヶ月後、在宅医療終了時に実施したが、回収率が低いという問題が生じたため、平成24年度から、在宅医療に移行した症例に関わった院内外の医療従事者が集まり毎週オープンカンファレンスを開催するシステムを導入し、この会議の中で評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病院から在宅医療に移行した患者全てに対して、在宅医療担当者(訪問医師、訪問看護師、ケアマネジャー等)による評価を定期的にアンケート用紙で行うことは、多忙な在宅医療担当者にとって負担であり、継続しないことが判明した。そこで、実際に在宅医療に移行した患者症例について毎週1症例だけを取りあげ、その症例に関係した病院医療従事者と在宅医療担当者(必要に応じて自治体担当者)に集まってもらい、現在の問題点や良かった点等の意見交換を行うオープンカンファレンスという方法を平成24年度から取り入れて、評価を開始したところである。
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今後の研究の推進方策 |
「在宅医療従事者による在宅医療評価システムの構築」については、在宅医療移行症例のオープンカンファレンスから得られた評価データを収集すると共に、分担研究者の所属する医療連携部門においても在宅医療移行患者の評価データを集積し、分析評価を行う予定である。。
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次年度の研究費の使用計画 |
在宅医療に関する評価の方法が確定しなかったため、打合せの回数が予定よりも少なくなった。 翌年は、分担研究者3名と在宅医療の評価について再度打合せを行い、研究を推進していく予定である。
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