研究課題/領域番号 |
23653150
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 浩二 長崎大学, 大学病院, 准教授 (60161303)
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研究分担者 |
鈴木 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (80179192)
鈴木 裕介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378167)
内藤 純子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40403282)
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キーワード | 大学病院 / 医療連携業務 / 業務の標準化 / 在宅医療 |
研究概要 |
42国立大学病院の医療連携・退院支援部門における業務の現状を把握する目的で、3つの調査を経年的に行った。第1に業務数値と病院数値18項目について調査し、その変化について検討した。第2に医療連携・退院支援部門で実施されている業務項目を詳細に調査し、113項目(退院支援53項目、外来支援47項目、院外組織連携9項目、広報・研修・学術4項目)に類型化して、業務項目の実施状況を評価した。第3に医療連携業務を前方連携(患者受入に関わる医療連携業務)17項目と後方連携(患者の転院調整や在宅医療支援等に関わる業務)23項目について調査した。【結果と考察】第1の業務数値と病院数値の経年調査から、各病院ともタッフ増員等により経年的に業務数値の増加を認める一方で、病院間の差異が顕著であった。その理由として、①各施設の業務規模が異なる。②同一施設内で対応部署が複数に分かれている。③業務記録やカウント方法が標準化されていない。④記録が不十分等が考えられた。第2の業務項目実施状況は、全業務113項目中、最大値111項目、中央値94項目、最小値60項目であった。退院支援、外来支援、院外組織連携・広報・研修・学術に関する業務別にも実施状況を評価したが、病院格差が大きいことが明らかとなった。第3に前方連携・後方連携の現状では、紹介初診患者の事前FAX予約を実施している病院は83.3%で紹介患者に占める事前FAX予約率の平均は53.7%であった。病床管理は経年的に医師主体から看護師主体に変化している。退院支援スクリーニングを全病院で行っているが実施時期が入院時から入院決定時に次第にシフトしてきている。転院調整患者数、在宅医療支援患者数は病院間で大きな格差が認められた。 在宅医療支援の評価についても検討したが、評価者が院外の在宅医療従事者となると継続性に問題があり、更に今後の検討が必要である事が示唆された。
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