研究課題/領域番号 |
23653158
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
岡本 菜穂子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (30553565)
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研究分担者 |
グライナー 智恵子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (20305270)
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キーワード | 国際研究者交流 |
研究概要 |
研究協力施設を通して、週に1回当事者(生活困窮者:現在、生活保護などを得ながら自立生活へ向けて動いている元路上生活者)グループとの「参加型」学習と行動アプローチ手法を展開している。地域の全体図、当事者の行動範囲、社会関係図(ベン相関図)を研究者がファイシリテートしながら当事者が作成した。協力施設建物拡張計画が今年度進んでいる中、来年建設される予定場所を利用し、当事者が生活向上事業を行うための構想を練るにあたり、週に1回話し合いを通して出された意見を集約していくといった成果が表れてきている。当事者が核となり、具体的な事業内容が検討され、その準備としてキーとなる人物の選出、及び事業化を進める上での必要な手続き、交渉、資金の調達方法をどのようにするか、具体的な像が描かれ、事業の方向性が固まってきた。当事者自身が受け身で支援を受ける形から、自分たちが主となり動かしていくという意識に変革が進んできている。 この動きは、当事者が試行錯誤しながらも自分たちの自信を深め、自分たち自身で切り開いていく状況を作り出していると評価できる。来年度は、事業を実際に展開するための準備作業を当事者が主となり、周囲を巻き込みながら進めていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
参加型学習の機会を定期的に開催し、本格的に事業を構築する方向へ走り出している。事業化を進める上での必要な手続き、交渉、資金の調達方法については、誰がどの役割を担うか詳細な決め事にまで至っていない。ゆるやかなペースで物事が決められている状況であり、そのため、支援プロジェクトを実践することが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当事者が生産現場で研修体験を行い、就農するうえでの基礎的知識と技術を養い、その資力をもって高齢化の進む農地での農作業手伝いができる人材の斡旋と派遣を手掛ける事業を展開することを目指している。 当事者自ら、仲間の潜在能力を引き出しながら、生活向上に向けてのプロジェクト提案を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
生産現場での研修体験を行うにあたり、研究協力者の旅費、宿泊費に研究費を使用する。 また、次年度のプロジェクトを発信していく場として学会や国際シンポジウムへ発表をしていく際の費用に使用する。
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