研究課題/領域番号 |
23653162
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
原 佳央理 相愛大学, 人間発達学部, 准教授 (50441093)
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研究分担者 |
岡本 卓也 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (30441174)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 子ども虐待 / Webデータベース / 研修 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)子ども虐待のケースに携わる児童福祉司等の社会福祉専門職のための研修の実態や対応事例について、全国レベルで網羅的に把握し、(2)それらをWebデータベース化し、検索活用システムを構築することである。また、(3)開発したシステムの普及および評価を行うことを目的としている。本年度は、児童相談所等の児童家庭相談機関の職員の現任研修、子ども虐待の事例、子ども虐待事例についてのデータベース等について文献研究を行い、自治体間での事例の共有の必要性や、研修の必要性を確認した。また、質問紙の作成に先立ち、Webデータベースの内容について検討を行った。「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」(社会保障審議会児童部会児童虐待等保護事例の検証に関する専門委員会)やその他の事例集等に掲載されている事例をもとに、Webデータベースの内容を検討した。それらの内容および文献研究をもとに、全国の児童相談所等を対象とした現任研修および事例共有の実態把握を目的とした質問紙を作成した。その内容は、子ども虐待に関する研修の実施状況、機関・自治体内外での事例の共有、記録の方法やデータベースの利用の有無、機関としてケース対応に迷った際の対応方法、Webデータベースの可能性等である。この質問紙を配布・回収・分析することにより、子ども虐待に関する研修および事例共有の実態を把握するとともに、Webデータベースの内容をより精査していくことが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献研究、質問紙調査の作成、Webデータベースの内容の検討を行うことができた。一方、質問紙調査の調査票を配布するまでに至らなかった。その理由は、文献研究と質問紙調査の調査票作成に時間を要したため、配布可能な時期が年度末にかかってしまったからである。年度末に調査票を配布した場合、高い回収率が見込めないため、調査票の配布を次年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
全国の児童相談所等を対象に、事例の共有および現任研修の実態把握を目的とした質問紙を配布・回収し、分析する。また、質問紙調査を補う形で、児童相談所のケースワーカー、児童福祉分野の研究者等に面接調査を行う。それをもとにWebデータベースの内容を検討しWebデータベース化を行う。分担研究者は、子どもの危険認知に関するGIS型Web-DBを構築した実績があるため、その経験をもとにWebデータベースの設計を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品費・・・大量のデータを保存するためのハードディスクを購入する予定である。消耗品・・・質問紙調査のための郵送費が必要である。また、文献調査のための図書や文房具等を計上している。旅費・・・調査の実施のための旅費を計上している。謝金等・・・調査後のデータ入力として、質問紙調査の封入・発送作業、質問紙調査・面接調査のデータ入力およびWebデータベース化のための人件費を計上している。その他・・・質問紙の印刷複写代を計上している。また、Webデータベース化およびシステム構築とその維持管理の委託費が必要となる。
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