研究概要 |
2012年11月から12月の2ヶ月間、全国保育所(園)リストから系統的抽出(10おきに抽出)により2368園の保育所(園)を選出し、保育現場である保育所(園)にアンケート調査の依頼と発送をおこなった。アンケート調査内容は、1) 園の特徴(保育所(園)・幼稚園、認定こども園・公立・私立、総園児数,2)国際結婚している子どもの人数、,3)その子どもについて年齢、性別、家族構成,4)①困っていることは何か,②どのような対応をとっているか,③国際結婚の子育て・家族支援に望むことは何かである。 結果 有効回答数は976園(41.2%)であり、公立保育園606、私立保育園253、公立民間委託20,未回答20であった。有効回答の園の総園児数は95807人、外国籍児と国際結婚児は1697人、割合は1.7%であった。「困っていること」について回答では「コミュニケーション」が264、「困っていない」が255、「生活習慣(文化、宗教を含む)」が122、その他が33であった。他の2つの回答については現在解析中である。 考察 外国籍児・国際結婚児の割合は1.7%であった。「困ったこと」では、「コミュニケーション」を上げている園が最も多かった。2番目に多かったことは「特に困っていることはない」という回答である。記述内容には、両親のどちらかが日本人である、日本語が堪能であるという記述が目立つなど、言語的な問題をクリアしていると、園での対応がしやすいことが推察できた。3番目に多かったことは「生活習慣の違い」である。記述回答では、宗教の違いによる食べ物の問題である。このような状況のある保育園では、除去食の提供に苦慮している記述が目立った。また、登降園の時間が守れないことや保育所(園)で依頼している大切な書類の提出期日を守れないなど、日本とは異なるおおらかな社会性も困難性を引き起こしていた。
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