研究課題/領域番号 |
23653168
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
坂元 章 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (00205759)
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研究分担者 |
森山 新 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (10343170)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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キーワード | 国際交流 / 偏見低減 / 韓国 / 翻訳チャット / 異文化理解 / 情報リテラシー |
研究概要 |
対面の場合よりも自己開示が促進されるなどの利点を持つチャットを国際交流に用いることは偏見低減効果が期待される。交流の際、大きな障壁となる言語の問題は、自動翻訳機能を持つチャットシステム(以下、翻沢チャット)を用いることで解決できる可能性がある。そこで、本研究では、翻訳チャットを介した国際交流が偏見低減に及ぼす効果を検討することを目的とした。 しかし、翻訳チャットでの交流では、誤訳や、入力時のタイムラグへの許容の文化差など、交流に齟齬を生じさせる要因の発生が想定され、それが活用効果を損なうことが懸念される。 そこで、研究1として、予備調査の結果を基づき、翻訳チャットに対する利用者のスキルやリテラシーを向上させるためのトレーニングを開発した。トレーニングは、誤訳を防ぐ入力や、会話のターンを円滑に交代する方法などについて一人で学習できる教材に加え、誤訳が起きた時に、相手にどのように聞き直したらコミュニケーションが円滑に進むのか、実際に自分で返答を練習するものとなっていた。 研究2では日本人・韓国人女子大学生を対象とし、翻訳チャットによる国際交流の偏見低減効果を検討する実験を行った。その際、両国参加者を、研究1で開発したトレーニングを受講後に交流に参加する群(トレーニング受講群)と、トレーニングを受けずに交流参加する群(統制群)のどちらかに無作為に振り分けた。その結果、翻訳チャットでの会話のスムーズさに関する評価、言葉の通じない相手とも翻訳チャットを介して意思疎通が可能だとする評価が、統制群よりもトレーニング受講群の方が有意に高かった。さらに交流相手国民に対する態度をいくつかの指標を用いて検討した。その結果、交流前後で、統制群と比べ、トレーニング受講群で、交流相手国出身の留学生に対する接近傾向が有意に高まることが示された。以上の結果から、トレーニング心事前受講が翻訳チャットでのコミュニケーションを円滑にし、交流効果をより高めうることが示唆された。
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