研究課題/領域番号 |
23653173
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
堀江 尚子 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50598943)
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研究分担者 |
葛西 リサ 大阪市立大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60452504)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 貧困 / 単身高齢者 / トワイライトホープレス / 社会的包摂 / コミュニティカフェ / 生活保護施設 / 孤独死 / 独居死 |
研究実績の概要 |
65歳以上の高齢者が全人口の21%を超える超高齢社会の日本で孤独問題死に直面している貧困で社会的に孤立し生に希望を持てないトワイライトホープレスの状況を改善するための研究を実施した。本調査の拠点でもある生活保護施設と社会福祉協議会の協力のもとトワイライトホープレスの特徴分析調査、コミュニティカフェ現地調査を踏まえ、地域社会の中でトワイライトホープレスの人々が社会的関係を結ぶ場を拡張するためにコミュニティカフェのネットワーク化を試みた。本研究の調査対象は大阪市北区であり、開催されている14のコミュニティカフェの多くは地域住民による運営である。地域的に近接する3つのコミュニティカフェに絞ってネッとワーク化の取り組みを展開した。コミュニティカフェの運営担当住民との対話と利用住民への口コミ活動を実施した。結果、複数のカフェを往来する住民が徐々に増加してきている。緩やかなネットワークを形成しつつある。それぞれのカフェはカフェ以外にもカフェに付随させた独自の活動がある。健康体操、脳トレ体操、京野菜市、昼食サービスなどである。そのような独自の活動は高齢者の単調となりがちな生活に変化を持たせ、他者とつながることのできる場を増やしている。カフェ運営担当住民は多様な人的ネットワークを有しており、カフェに未だ参加しないトワイライトホープレスの存在を把握している。コミュニティカフェがトワイライトホープレスの状況の改善に寄与できるかは、カフェが人を吸引する力があるかによる。その力を養うためには、緩やかなネットワークによる情報の共有を基軸にした小規模で多様な独自活動の活性が有効な方法の一つであるとの示唆を得た。
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