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2013 年度 実績報告書

場面に適した行動選択の神経基盤:社会性齧歯類デグーを対象として

研究課題

研究課題/領域番号 23653175
研究機関京都橘大学

研究代表者

上北 朋子  京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (90435628)

キーワード柔軟性 / 社会的手掛り / デグー
研究概要

最終年度においては、行動制御の柔軟性を可能にする脳領域として前頭葉の役割を明らかにすることを目的とし、これに関する2つの研究課題について研究データの再分析と論文作成を行った。
1.デグーがT字迷路場所非見本合わせ課題の遂行において、社会的手掛りを有効に使用することができるかを検討した。その結果、デグーは社会的手掛りを用いることはできるが、場所見本合わせ課題の遂行においては、自らの行動経験のほうが走路選択の優位な手掛りとなることが明らかになった。本研究内容について国内学会で発表を行い、論文再投稿準備中である。
2.ラットの意思決定に及ぼす前頭前皮質損傷の効果を検討した。前頭前皮質の役割に関しては、柔軟性と衝動性のいずれに関与するか研究者間で見解が一致していない。不一致の原因として考えられる手続き上の差異を明確にし、T字迷路を用いた一連の意思決定課題の中で衝動性と固執性へのOFC損傷効果を検討した。衝動性への効果に関して、一定基準以上、遅延大報酬を選択することを確認した後、損傷手術を行い、損傷後の同課題のテストを行った。このテストにおいて損傷の効果はなかった。これに引き続き、固執性への効果を検討するために、遅延および報酬と選択走路の左右を逆転させたテストを行った。逆転テストにおいて、OFC損傷群の正答率が統制群より悪かった。よって、OFC損傷は固執性を高めるが、衝動性には影響を与えないことが明らかになった。本内容について国内および国際学会にて発表を行い、論文準備中である。
上記以外の課題として、デグーの個体識別に関わる要因を検討し、視覚刺激が重要な役割を果たしていることを明らかにした。最終年度において、この理論に関して総論の一部に掲載した。この他、デグーの環境モニタリングにおける集団行動の利益に関する研究を行った。これに関して学会発表を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 齧歯類デグーの海馬機能 -社会認知と空間認知-2013

    • 著者名/発表者名
      上北朋子・岡ノ谷一夫
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 56 ページ: 295-309

    • 査読あり
  • [学会発表] The effects of partner on vigilance behavior in Octodon degus.2013

    • 著者名/発表者名
      T. Uekita
    • 学会等名
      The 18th auditory research forum
    • 発表場所
      Shiga, JAPAN
    • 年月日
      20131214-20131215
  • [学会発表] The role of the orbitofrontal cortex of the rat in delay-based decision-making.2013

    • 著者名/発表者名
      A. Nagano, K. Aoyama & T. Uekita
    • 学会等名
      SfN annual meeting
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      20131109-20131113
  • [学会発表] デグーにおける場所非見本合わせ課題の学習と社会的手掛の使用2013

    • 著者名/発表者名
      高木佐保・上北朋子
    • 学会等名
      日本動物心理学会第73回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20130914-20130916
  • [学会発表] 遅延を含む選択課題におけるラットの眼窩前頭皮質の役割2013

    • 著者名/発表者名
      永野茜・青山謙二郎・上北朋子
    • 学会等名
      日本動物心理学会第73回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20130914-20130916

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公開日: 2015-05-28  

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