研究課題/領域番号 |
23653193
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
根ケ山 光一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00112003)
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研究分担者 |
河原 紀子 共立女子大学, 家政学部, 准教授 (90367087)
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キーワード | モーションキャプチャ / 母子 / 日英 / 食行動 / 抱き / タウ解析 |
研究概要 |
日本(所沢)と英国(Glasgow)において,それぞれ10組の母子を対象に,5~6か月齢と8~9か月齢の2時期にわたって,ビデオ撮影とモーションキャプチャによる測定を行った。設定した場面は,(1)母親が子を床に抱き下ろしたあと直ちに抱き上げて歩く,(2)持参した昼食を自然なペースと分量で子どもに食べさせる,(3)くすぐり遊びを含む身体接触を伴った遊びをする,(4)声かけを伴う遊びをする,という4種類である。赤ん坊と母親のインタラクションをモーションキャプチャを用いて解析するということ自体ほとんど先例のない試みであり,その手続の確定のための試行錯誤がなされた。それを経て実験場面が確定され,協力者をリクルートし,協力の得られた母子から順次実験が進められた。現在日本側はすべての実験を終了しており,英国の実験の大半も終わっている段階である。 さらに,研究代表者と研究分担者,それと研究協力者の早稲田大学人間科学学術院百瀬桂子氏がGlasgowのStrathclyde大学に行って同じく研究協力者のJonathan Delefield-Butt氏とタウ解析やビデオ解析の方針などについて議論した。当面は日本側の映像・モーションキャプチャの分析を進め,その座標の時系列データを得た後,タウ解析に移行するとともに,動作の軌跡の解析から行動のパターン変化を動画と照らし合わせながら検討するという段階にこれから研究分担者とともに入ろうとしているところである。日本側の分析が済み次第,英国と協働して英国側の分析に入る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は日英にまたがっており,しかもその進行は適切な条件の母親と子どもがこちらの可能な日時に協力してくれるかということに全面的に依存している。おまけに二つの月齢期にわたっての実験ということもあり,交渉や協力者の確保に大変労力を注いだ。おかげで何とか曲がりなりにも予定通り研究が進行しており,順調である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り日本側の映像・モーションキャプチャの分析を完了させ,その成果をDelafield-Butt氏にに伝えて英国側の映像解析を進めてもらう。 Delafield-Butt氏は学振の短期招聘プログラムでこの9月に来日し,研究代表者・研究分担者・研究協力者とそれぞれの成果について討議を重ねる予定である。そしてその成果を論文化するべく努力することが合意されている。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は英国に研究代表者と研究分担者が渡航し,研究協力者と分析結果を最終的に討論して総括する。 それに向けて資料整理補助謝金や国内学会発表旅費などに使用する予定である。
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