研究概要 |
[研究の目的] 抑うつ的な母親の乳児と一般の母親の乳児では,母親が乳児をあやしている際に,脳の血流量に違いが認められるかを明らかにすることであった。 [研究実施計画] 1歳半の乳幼児を持つ母親とその乳幼児について,測定を行った.母親の抑うつ感情を測定するために、エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburg Postnatal Depression Scale: EPDS)を使用した。 脳機能の測定するために,近赤外線分光法(Near infrared spectroscopy: NIRS)を用いた。これにより、乳幼児であっても、母親の働きかけに対する乳児の反応パターンに違いがあるのかを、脳血流量の変化の視点から検討することができる。乳幼児には、日立メディコ社製のETG-4000を、母親には浜松ホトニクス社製のNIRO-200を使用した。両機種ともに、脳血液中の酸素化ヘモグロビン・脱酸素 化ヘモグロビン・総ベモグロビンを、それぞれ別々に測定することが出来る。ETG-4000では、695nmと830nmの2波長を使用した。NIR O-200では、775nm・810nm・850nmの3波長を使用した。ETG-4000は、乳児用プローブの24チャンネルを使用した。母親に使用したNIRO -200は2チャンネルで使用した。 本年度は,昨年度に加えてさらに多くの研究協力者を募る予定であったが,状況の変化により研究協力者の確保を進めることが次第に困難となってきた。そのため,これまで収集したデータを元に分析を実施し,論文を発表する準備を整えていた。今後は国際誌への投稿を積極的に目指していきたい。
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