きょうだい関係,なかでも,きょうだい間の葛藤は,心理臨床相談の上で重要な意味をもっている。そのことは経験上は知られているが,これを査定する有効な方法は確立されていない。本研究は,きょうだい葛藤に関する新しい査定法を開発することをめざした。基礎的なモデルを確立するために,同性2人のきょうだいに焦点を絞り,3人の研究者がそれぞれ専門とする領域からのアプローチを行った。 研究成果として,きょうだい間葛藤をとらえるために有効な軸が抽出された。対比性,同調性,操作性,支配性,両義性,依存性などである。今後これらを臨床仮設の中に構造的に位置づけ,査定法を確立することが必要である。
|