研究課題/領域番号 |
23653208
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研究機関 | 作新学院大学 |
研究代表者 |
福島 明子 作新学院大学, 人間文化学部, 准教授 (20334568)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アロマセラピー / フレグランス / コラージュ / アートセラピー |
研究概要 |
本研究の目的は、人間の自然治癒力に働きかける自然療法のひとつであるアロマセラピーに、心理療法であるコラージュ療法を導入することにより、香りを使った初めての芸術療法「アロマコラージュ療法」を開発し、効果の検討を行うことである。具体的には、好きな精油を用いてフレグランスを制作し、その香りをコラージュで可視化する。そして、短期的および長期的観点から、心理的・身体的・社会的効果の検討を行う。検討内容は大きく2つに分けられる。主観的評価や生理的指標を用いたアロマコラージュ療法による自律神経系・免疫系への効果、およびアロマコラージュ療法を複数回実施することによる自尊感情や社会的スキルへの長期的な心理社会的効果である。 平成23年度は、アロマコラージュ療法による自律神経系への効果について検討を行う。また、2週間に1回の割合で複数回、アロマコラージュ療法を継続的に実施し、作品の変化を検討するとともに、自尊感情や社会的スキル等への長期的な社会的効果についても検討を行う。平成24年度はアロマコラージュ療法による免疫系への効果について検討を行う。平成24年度以降、研究成果を学会で発表し、国内外の学会、アロマセラピー団体の学術誌等において公表する。そして平成25年度は平成23~24年度に得られた研究成果の総括を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度は、アロマコラージュ療法による自律神経系への効果について検討を行った。アロマコラージュ療法前、実施中、アロマコラージュ療法後に、センサーにより自律神経機能を測定し、リラクセーション効果、ストレス緩和効果の検討を行った。また、長期的な社会的変化として、2週間おきに複数回、アロマコラージュ療法を継続して実施し、第1回の1週間前、第3回の1週間後に自尊感情と社会的スキルを測定した。前者についてはデータ解析中で、学会発表の準備中である。後者については学会発表を経て、学術誌に論文が掲載された。以上のように、データの収集は予定どおり進んでいる。研究成果は平成24年度以降公表する予定であったが、平成23年度中に学会発表を経てレフリー付の学術誌に成果を公表することができ、また韓国で開催された日韓健康科学ワークショップにおいても成果を公表した。さらに本研究者が編著者として平成23年度に本の企画立案、執筆・編集を進めてきた単行本が平成24年5月に発行された。このように1年目から学会、学術誌、海外でのワークショップにおいて研究成果を公表し、また年度内ではないものの平成24年度初めに単行本を発行し、研究は計画以上に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、アロマコラージュ療法による免疫系への効果について検討を行う。当初は採血を行い分析を行う予定であったが、被験者への負担を考え、非侵襲的方法である唾液採取によりデータを収集し、唾液コルチコーゼなど免疫機構への影響について検討を行う。また、質的研究を用いた研究についても研究計画の立案を行っている。平成23年度に収集したデータの分析を進め、国内の学会等において学会発表を行い、論文投稿の準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
・アロマコラージュ療法を実施するにあたり必要な材料購入(精油、容器、ムエット、画用紙、ラベル等)。・唾液採取キットの購入。・検体分析(謝礼)。・学会発表のための旅費。・論文投稿のための英文校閲。・学術誌投稿のための論文印刷代。
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