研究課題/領域番号 |
23653215
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
今田 純雄 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90193672)
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キーワード | ダイエット行動 / 動機づけ / 認知 / システム1 |
研究概要 |
ダイエット行動の「非合理的」側面を,心的プロセスより解明する目的で,大規模調査を実施した。特に焦点をあてたプロセスは,システム1思考であった。これは,システム2に対立するところの短絡的な「思い込み」傾向の強さを反映するものとみなされる。現在データを分析中であるが,全体的傾向としては,ダイエット行動従事の程度との相関関係はみられていない。ダイエット行動の諸側面との関連性について,より詳細な分析を必要としている。本年度は,健康上の理由により作業が中断した為に,研究期間を1年延長させ,次年度においてより詳細な分析をおこなっていく予定である。また,悲観傾向,ポジティブ思考の傾向,情緒不安定性傾向,衝動性傾向といったものが関与している可能性が考えられる。よって次年度は,必要と思われるこれら心的特性を追加測定し,より強固な結果をえられるよう努める。なお本研究と平行して行っている研究課題(「習慣的アルコール飲用者の心理・行動」)の成果との比較検証も予定している。さらに現在進行中の研究(「大学生におけるコンフォートフード摂取行動の心的プロセス」)との比較検証をおこなっていきたい。ダイエット行動は,飲酒行動,間食(スナック,菓子摂取傾向)との関連がつよく,本研究成果は現在進行中のこれら諸研究の結果と合わせることにより,よりおおきな説明力をもつものとなることが期待される。本研究者が過去30年にわたりおこなってきた食行動研究のおおきな区切りとなる成果となるべく努め,研究終了の翌年度においては研究成果を研究書として出版すべく準備している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
健康上の理由により大幅に進行が遅れた。よって本年終了予定であったが,1年の延長を申し出て承認された。
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今後の研究の推進方策 |
ダイエット行動の「頑固さ」をシステム1思考特徴と関連づけて検討しているが,「研究実績の概要」で詳述したような,動機づけ,認知,パーソナリティといった多面的側面から検討していく必要性を感じている。本補助金以外の研究費を確保したので,それらを用い,さらなるデータ収集をおこなう予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題は,本年度末で終了予定であったが,健康上の理由により1年延長を申請し承認された。よって次年度使用額が発生した。 新たな調査の施行ならびに資料収集・成果発表の為の学会出張を予定している。
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