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2012 年度 実績報告書

解離性健忘における神経ネットワーク障害:脳機能画像・経頭蓋磁気刺激を用いた研究

研究課題

研究課題/領域番号 23653218
研究機関東北大学

研究代表者

森 悦朗  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30368477)

キーワード神経機能画像学 / 認知科学 / 神経科学
研究概要

震災の影響で,解離性健忘の患者を得ることが困難となり,健常被験者および器質性健忘の患者を用いて,解離性健忘に関する背景研究および基礎的研究に集中せざるを得なかった.
健常被験者に対して記憶課題によるfMRI実験を行った.記憶再認の際の欺瞞行動に対して背外側前頭前野が賦活されるが,記憶素材が情動的な場合は中立的名場合に対してより大きく賦活されることを見いだした.このことは解離性健忘患者において思い出せない事象,すなわち情動的事象の再認に対して背外側前頭前野が賦活されることと共通し,解離性健忘における記憶の抑制の神経基盤に対する示唆を与える.また解離性健忘では知っているはずのことを知らないものと自覚しているが,新奇性(知らないこと)を判断に関する神経基盤を健常被検者に対するfMRI実験で検討し,新奇と判断した時に海馬の賦活があるが,その活動は新奇性の脈絡に関して変化することを見いだした.さらに記憶に関する視床の関与を左視床前部梗塞の患者群で検討し.海馬および前頭前野との結合を機能解剖学的に明らかにした.
最終年度においては,健常者を対象にしたfMRIで,欺瞞行動を準備中にも背外側前頭前野の活動が増加するかどうかを検討した.背外側前頭前野の活動は反応の準備に関連して,虚偽あるいは真実に関わりなく増加することが示された.このことは解離性健忘患者において思い出せないことに対して背外側前頭前野が賦活されていることと関連し,思い出せない操作の準備においても背外側前頭前野が関与することを示している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The contribution of the dorsolateral prefrontal cortex to the preparation for deception and truth-telling.2012

    • 著者名/発表者名
      Ito A, Abe N, Fujii T, Hayashi A, Ueno A, Mugikura S, Takahashi S, Mori E.
    • 雑誌名

      Brain Res

      巻: 1464 ページ: 43-52

    • DOI

      10.1016/j.brainres.2012.05.004

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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