研究課題/領域番号 |
23653219
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小川 園子 筑波大学, 人間系, 教授 (50396610)
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研究分担者 |
坂本 敏郎 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (40321765)
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キーワード | 社会的性決定 / 個体間認知 / 脳内ホルモン機構 / 行動レパートリー / 性転換 |
研究概要 |
我々はこれまで、主にマウスを用いて、攻撃行動、性行動、養育行動などの社会行動の基盤となる個体間認知にかかわる脳内ホルモン機構についての解析を進めてきた。本研究では、さらに、個体間行動が、集団内の社会的構造の構築にどのように関わっているのか について理解するために、新たな動物モデルを確立することを目指した。そのために、群れの中の個体間の絆が強く、社会的性決定機構により各個体の地位が明確に定義できる性転換魚であるカクレクマノミを用いて行動解析を行なった。すなわち、(1)カクレクマノミの個体間に見られる行動を継続的に記述し、社会構造の構築に至る過程に、 社会行動(個体間行動)がどのような役割を果たしているのかを明らかにするために、社会行動レパートリーの確立し、(2)カクレクマノミ16匹を体重差を最小にしてペアを作り、8つの水槽に分けて長期間飼育して、定期的に行動観察を行なった。現在、これらのカクレクマノミの脳および生殖腺の組織の解析を進めている。また、社会行動のホルモン基盤の解析に有効な新しい動物モデルの確立を目指して、ワークショップを開催する(2013年1月、岡崎)と共に、海外研究協力者(モナーシュ大学、Dr. Ishwar Parhar)との連携の確立を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在まで、クマノミの飼育環境の整備、行動解析は進んでいるが、行動の基盤となる神経内分泌機構の解析は、着手したばかりであるため、「当初の計画よりもやや遅れている」と評価した。25年度には、海外研究協力者との連携を更に強化して、神経内分泌機構の解析を推進する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
24年度に計画していて、終了することのできなかった下記の2項目の解析を引き続き推進する。 (1)性の異なる個体間での脳内ホルモンレベルの組織学的検索:行動実験後に採取した脳組織を用いて、脳内のステロイドホルモ ン受容体、ステロイドホルモン合成・代謝酵素、神経ペプチド及びその受容体を免疫組織化学染色法により検出し、陽性細胞数を、雌 、雄、無性の個体間で比較検討する。 (2)社会的な性決定にいたる過程での脳内ホルモンレベル変化の組織学的検索:行動実験により、最初に群れを構成してから最終 的に性決定が起こるまでにかかる日数が明らかになった場合には、その期間内に数回にわたって脳組織を採取し、実験5 と同様に脳内 のステロイドホルモン受容体、ステロイドホルモン合成・代謝酵素、神経ペプチド及びその受容体を免疫組織化学染色法により検出し 、陽性細胞数の変化を行動変化、性転換の有無との関係を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度の研究費使用計画は以下の通りである。 (1)物品費:クマノミの購入 5万円、飼育資材 5万円、抗体、試薬 14万円 (2)研究発表旅費(動物学会、岡山、9月) 5万円
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