攻撃行動、性行動、養育行動などの社会行動に加え、近年では、個体間認知に関係する行動にもホルモンの脳内作用が重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。本研究では、この様な個体間行動が、集団内の社会的構造の構築にどのように関わっているのかについて、群れの中の個体間の絆が強く、社会的性決定機構により各個体の地位が明確に定義できる性転換魚であるカクレクマノミ(Amphiprion ocellaris:common clownfish)を用いた行動解析を行い、社会性の形成、維持、変容についての新しい実験モデルとして確立した。
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